第9話黒川金山へ

「夏希殿の様子は、どうだね?昌景や。」

「疲れて寝ています。お館様。」

「黒雲、ドラミとは、上手くやっておるか?」

「息はぴったしです。ああ。あとお館様。奇妙な夏希殿の風林火山の衣は、みはたたてなしの横に飾っときました。」

「それは、良い。何かの役に立つであろう。」

「はい。お館様。」

「そちは、明日、黒川金山の金の採掘量を見てきてくれたまえ。」

「承知しました。」


一夜が開けた。


「夏希!起きたか!」

「起きてるよ。」

「ほら、きしめんだ。」

「やったー!これ美味しいんだよね。」

夏希は、ズルズルと麺を頬張る。

「今日、俺黒川金山行ってくるから。」

「金?私も行きたい!」

「貧乏人め。お前の金じゃねーよ。」

「分かってるよーだ。ただ武田軍を支えた金が気になって。」

「しょうがねーな。一緒に来るか?お館様に許しを請うてもいいぞ。」

「やったー!昌景、大好き!」

「、、、。」

猛将ともあろう山県昌景は、夏希のことをかわいいと思ってしまった。


「お館様。夏希殿と一緒に黒川金山へ行ってもよろしいですか?」

「良かろう。守護神様は内政にも興味があるとは、誠、うれしい限りだ。」

「信玄。ありがとうございます。」

「では、行ってまいります。」

「うむ。」

「行くぞ!夏希!」

「承知!」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る