第8話勘助に認めてもらう

「勘助!」

「戻ってきおったか。」

「夏希。」

「勘助のおっさん、首です。」

「首は受け取るがおっさんって言ったから、わしゃ認めん。」

「そんなあ。」

「嘘じゃ。おっさんでも、何でも呼ぶが良い。お館様の愛馬を扱う方じゃ。認めるしかないのう。」

「良かったあ。」


『おまえが取った首だろ?』

『バレたか。でもドラミが敵を殺したぞ。』

『そうか。やはり、、、。』


「何話してるの?」

「お前の悪口。」

「酷い!」

「夏希殿。立派な首じゃ。」

「あっありがとうございます。」

「お疲れであろう。みはたたてなしのお主の部屋でゆっくりするがよい。」

「はい。」

「行くぞ!夏希!」

「昌景も?」

「俺は、お前の世話役だ!」

「そうだった。」

昌景と夏希は、みはたたてなしの部屋へと戻った。

「勘助のおっさん、騙したみたいで、気が退ける。悪い人じゃないみたいで、、、。」

「気にするな。」

「それに、片目なのと片足が不自由で、なんとかならないのかなぁ。」

「あの人は、そんなこと気にしちゃいないよ。頭の切れる人だから。お前とは違って。」

「失礼ね!どうせ私は、学校の成績ドベですよ!」

「学校の成績?」

「何でもない。バカで悪かったわね!」

「面白いから、いいんじゃねー。」

(ん~。なんかバカにされた気分。)

「そこの扉、開けてごらん。」

「えっ?分かった。」

みはたたてなしが飾ってある右の方向にある扉を夏希は開けた。

「うわー!温泉だ!素敵!」

「入って疲れをおとしな。」

「うん!」

夏希は鎧、風林火山のT-シャツ、衣を脱いで温泉につかる。

「気持ちいいー!」

「湯加減はどうだ?」


ドキッ。


「覗かないでよ!」

「覗くか!バカ!変態じゃねーよ!」

(私、裸。扉の向こうには、昌景がいる。妙に意識してしまう。恥ずかしいな。このまま湯船に浸かって裸を隠したい、、、。)


「おーい!夏希!」

しーん。

「夏希!?」


バンッ!


昌景は、扉を開けた。夏希がのぼせている。


「う、、、ん。」

「大丈夫か?」

「私、、、どうしたの?」

夏希は、新しい衣に着替えている。

「お前、のぼせたんだよ。貧弱なわりには、重てーな。」

「新しい服着てる!昌景が着替えさしたの?」

「ああ。」

「見た?」

「見た。」

(ガーン!ショック、、、。)

仕方しょうがねーだろ。そんなに落ち込むな。しかし、貧弱だなぁ。」

「うるさいっ!うっ。」

「泣くな。死ぬよりましだろ。」

「そりゃそうだけど、、、。」

「あっ後、お前の奇妙な風林火山の衣、みはたたてなしの横に飾っといたから。貴重な品だ。」

「貴重だよ。一週間分七着持ってたのに、今はこれ一着しかない。」

「そりゃ貴重だ。お館様にも報告せねば。お前は、また朝まで寝ろ!お休み。」

「お休みなさい。」



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