第4話守護神、紹介

昌景は、手のやり場に困った様子だが、夏希が泣き止むのを待った。

「落ち着いたか?」

「うん。ごめん。」

「とりあえず、朝飯、食っとけ。」

昌景は、侍女に夏希の朝食あさげを頼んだ。

そこに持ち込まれたのは、山菜が入ったほうとう。

「朝から、きしめん!?」

「きしめんとはなんだ。モチモチ麺で元気だせ。」

「うん。」


(昌景が優しい、、、。)


「お館様!便所が長いです!いくら快適に水で流せるとはいえ。」

「高坂、静かに。わしは便所で考えごとをするのが大好きなんじゃ。」

高坂昌信こうさかまさのぶ、武田四天王のうちの一人。

便所の長い武田信玄は、誰も使っていない水洗トイレを使用している。


「高坂。」

「やっと出てきましたか。お館様!」

「わしの部屋に皆を集合させい。」

「承知しました。」


それから、武田信玄はみはたたてなしがある夏希の部屋へと向かった。


「夏希殿。皆に紹介しようと思う。昌景も来るのだ。」

「承知しました。」

甲冑姿の白い綺麗な毛が目立つ金の角が生えた兜を被った武田信玄は威厳に満ちていて、その場を後にした。

「昌景。私まだ、、、。」

「大丈夫だ。俺がついてる。」

夏希は昌景がそう言っただけで安心してしまった。

源氏八領のみはたたてなしの鎧は、夏希がこの部屋に来てから、輝きを増している。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る