第3話 違和感

「……はっ?」

私は目の前の状況に脳が追いつかなかった。なんで彼がここにいるんだ。

彼が教室に入ってから私の教室は騒ぎ始めた。

「あの人顔綺麗すぎない⁈」

「それな‼︎吉○亮に似ているような…いやそれ以上かも…‼︎」

女子は彼のかっこよさに惚れ惚れしているみたい…。そして男子は

「なんだよあいつ…チヤホヤされやがって。」

「かっこいいからって調子に乗るなよ…。」

(あっかっこいいことは認めるんだね。)

男子は彼が女子からチヤホヤされているのが気に入らなく、愚痴をこぼしていた。

こちらから見ればとても愉快で滑稽な状況である。

それに比べて彼は騒いでいる奴らには興味なさそうに明後日の方向を見ていた。

(この状況に慣れてるのかな?)

さぞ前の学校もこんな状態になって大変だったんだろうな。(勝手な妄想)

正直彼が来たことに対しては驚いたが、そんなに騒ぐことか?っと疑問が浮かんだ。

そんなことを思いながら私は騒いでいる奴らを冷ややかな目で見ていた。

パチッ

彼と目が合ってしまった。咄嗟に私は目を逸らしてしまったが……。

(なんか目が優しかった…ような…。)

そんなことを考えてしまい、頭を振った。

(冷静になれ…たまたま朝河川敷に会っただけであって、特にあの人と関わりなんてないぞ…。気のせいだ気のせい。)

そんなことを考えて落ち着かせようとした時、彼がこっちの方に向かって行き、私の席の後ろに座った。

(嘘だろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎‼︎‼︎)

静かな学校生活は望んで5分、その願いは叶えることはできませんでした。

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