第4話 視線
(終わった……。私の静かなスクールライフが…。)
彼が私の後ろの席に座った瞬間私の望んでたスクールライフが終了した。
彼が私の後ろに来るってことは…
「ねぇー名前教えてくれないー?」
「ちょっ抜け駆けずるいっ‼︎ねぇねぇどこの中学だったの?」
「ちょっと私から先に質問したんだけど‼︎」
最悪の予感が当たった…。彼の顔に惚れた女子たちが彼の机の周りを囲んで質問し始めた。(どうしよう…どこか離れたところに避難しないと…)
そうやって頭で考えながら目線をキョロキョロと見回していた。
「………。」
(てかなんでうんともすんとも言わないんだよ‼︎)
後ろにいる少年はずっと黙っているばかりだった。なぜか私の方に視線を感じていた。なんとかしてこの状況を終わらせて欲しいと思った時…
キーンコーンカーンコーン
この地獄の空間から地獄のチャイムが鳴理と同時に先生が入ってきた。
「席に座れー。出席取るぞー。」
(きゅ、救世主だ…‼︎)
チャイムが聞こえると周りにいた女子たちはガッカリしながら自分の席に戻って行った。嵐が過ぎ去った後のように教室が静かになった。
「…これ一年もあるんだよな…。」
静かなスクールライフとは真逆であることに絶望した。しかしそんなことよりも私はずっと彼のことが気になっていた。席についてからずっと辺を感じていたのだ。
正直むず痒かった。
そう考えてたうちに出席確認が終わり、始業式が始まろうとしていた。
体育館に移動する準備をして列に並んでいた。出席番号順で並ぶ必要があり、私の名前が東雲波瑠だから真ん中ら辺である。そして私の後ろはもちろん席が後ろの彼である。
「誰あのかっこいい人!!」
「ちょっと!狙っているんだから邪魔しないでよね!!」
デジャブである。
(帰りたい…)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます