第3話<指示者>

逃げたくて走っていた時何かに躓き転ける

「いた、」

膝からは血が出ていたが手当てをする気力もなかった

「あれ?初めて見る顔だ。君何年生?」

振り返ると先輩と思える人がいた

「1年です」

「そっかー、初日からサボり?いいねー!」

「さ、、。いえ、サボりです」

「あれ?怪我してるじゃん!早く言ってよー」

先輩は救急箱を持ってきてくれ、手当てをしてくれた

その先輩は2年の青と言っていた

「よし!これで大丈夫だと思うよ」

「ありがとうございます」

「何があったのかは聞かないけど、少し手伝ってくれない?」

「わかりました、、」

ーー指示室ーー

「青!遅い!ってその子どうしたの?」

「遅れてすみません。この子怪我してて、手当してました」

「そうなの?まぁいいけど、あなた名前は?」

「小夜です」

「1年生ね。私は3年の花。一緒にお菓子食べましょ」

「ほら!入ってー」

『せーの、指示者へようこそ!』

「指示者?」

「そう。ここのモニターで侵入者たちの情報を全校に教えたり、動きの指示を出す人のことを指示者って呼んでるの」

「地味でしょー」

ピコ!

「いった!何するんですか!?花先輩」

「地味じゃないってば!私たち指示者がいなかったら、今頃みんな灰になってるわよ」

「確かにー」

「ぷふふ」

私は思わず笑った、心の底から笑えたのはいつぶりだろうか

「やっと笑ったわね」

「作戦大成功!」

「作戦?」

「小夜ちゃん、今にも消えそうだったから」

「あ!さっきの花先輩のセリフぴったりですね!」

「なんのことよ?」

「『私たちがいなかったら今頃灰になっていたわ』ですよ!」

「あんた!それ私に似せてるつもり?そんな声してないわよ!」

ピー!ピー!

「!」

「こちら指示者!侵入者確認、人数は3人」

「3年生はすぐに裏庭へ、2年生は援護射撃を。1年生は校内の見回りを!」

すごくわかりやすい指示出し、かっこいいと思った

「こちら太陽育成学校!増援は必要ですか?」

「こちらキャンドル育成学校!増援は今のところ必要ありません。また後で必要になるかもなので出動準備をしておいてもらえますか?」

「了解です」

モニターには指示者に従って動いている人たちが写っていた

私も行動したほうがいいのだろうかそんなことを考えていた、時花先輩が話しかけてくれた

「小夜ちゃん。ここにいて大丈夫だよ」

「僕たちもここにいてもらった方が嬉しいです。せっかくの人材を逃したくないですから」

ピコ!ピコ!

「いた!いたいです!花先輩何か言ってください!無言が1番怖いですー!」

「ばか!」

花先輩はピコピコハンマーで青先輩を叩いていた

『侵入者撤退。任務完了』

「終わった!終わったー!クッキー!クッキー!」

「こちらキャンドル育成学校!敵が撤退したため増援必要ありません」

「こちら太陽育成学校!了解です」

「紅茶ー!」

コンコン!

「どうぞー」

「あれ?実戦訓練担当の先生じゃないですか!どうしてこちらに?」

「人を探していて、小夜って言うんですけど」

「ここには来てないですよー」

「その子は来てないわよ。代わりに侵入者が来たけど!」

「あはは、見かけたら連絡してください。では失礼します」

足音が遠くなったのを確認してくれ、私に出てきていいよサインを出してくれた

「よく見たら、さっきの先生と似てるねー」

「兄なんです」

「そっかー、苦労してるんだね。気持ちわかるよー!」

「僕もわかりますよー」

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