第2話<実戦訓練>

ーー実戦訓練室ーー

「階段きつい!」

「後少しだよ。頑張ろう」

ーー5分後ーー

「着いた!」

「来た人から左につめて座ってください!」

私たちは座って、時間になるまで話をしていた時聞き覚えのある声がした

「全校生徒の皆さん!おはようー」

「小夜、、。あれって真白さんじゃない?」

「どう見てもそうだね」

学校についてくるのがおかしいと思った、今年入学者が少ないのは兄が試験官だったからだったみたいだ。幸い私は兄の面接は受けなくて済んだ

「授業を始める前に。自己紹介を、、真白です。今年から実戦訓練担当教員です」

周りからは『かっこいい』や『優しそう』といった声があがっていたが、兄はものすごく鬼なのを私は知っている

「今日は、担当の俺と戦ってもらいます。勝った人にはジュース買ってあげようかな?」

ーーーーーーーーーーーーーーーールールーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

武器はインク玉3つ。どこに投げても良い(顔もあり)

先生と生徒2人には背中にテープ貼られる

<先生の勝ち>

生徒2人のテープを2枚とること

<生徒の勝ち>

先生のテープ1枚をとること

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「真白先生、買ってあげるのはダメですよ」

「そうだった、、。じゃあー、課題をひとつ減らします」

その途端みんなが手を上げ始めこう言った『初めにやるのは俺たちだ』、『先がいい』少し羨ましい、あの鬼とやりたいと思う気持ちが、そう思っていると横から視線を感じた

「小夜。真白さんに勝ったことあるの?」

「ないよ」

私は正直に話した、嘘をついても無駄だと思ったからだ

「分かった」

桜は覚悟を決めたような目をしていた

1組目がやり始めた。みんなは教室から出て控え室にあるモニターでその様子を見ていた

「嘘だろ、、。5秒でやられたぞ!」

「辞退しようかな、、」

そんな声が響き渡っていた

その時放送が鳴りこう言った

『名前を呼ばれた2人は中に入るように、晴斗!小鳥!中へ』

「怖い、」

「がんばろうぜ」

その2人組は13秒持ち堪えた

『次!』

次々と呼ばれていく生徒たち、そして今残っているのは私と桜だけ

「やっぱり最後、」

「がんばろ!」

「そうだね」

ーー実戦訓練室ーー

「2人で最後?」

「そうだよ」

「そうですよー!」

「先生には敬語だろ?」

「そうですね」

「なんかバチバチしてる、、」

ーー開始ーー

「楽しめそうだ」

私たちは二手に分かれる

右は私、左は桜

兄はいつも先に1人を落とす戦法、私の読みが当たっていればいいが自信は少しだけならあるかもしれないといったところだろうか

兄は左の桜を狙った

「くらえ!」

インク玉2つを投げるが当たらない。桜は焦っていた

私は桜の方に向かって走るが間に合わない

「桜!落ち着いて、ボール投げ得意でしょ。きっと当たるよ」

私は焦っていたのか自分らしくない発言をした

「1発は当てる!おら!」

「!」

桜の投げたインク玉は兄のお腹あたりに当たったが、桜はテープをとられてしまい退出した

正直焦っている、さっきのことは10秒間の出来事。いつものペースが乱れたような気がした

でもこの感情に気づいたのには余裕があるからだと私は思った、敵は私が1番知っている人少しの可能性に欠けてみる価値はあるそう思い行動に移った

「、、、」

「かかってきな」

私は兄に向かって全力で走った

『インク玉は3つ残ってる、絶対顔に当てる』

インク玉を兄の顔に向かって2つ投げる、もちろん避けられるが避ける方向を見計らって

最後の1つを投げる

「当たった」

「インク玉でも痛いな、」

兄は顔についたインクを拭いている、『今だ!』と思い兄のテープを剥がした時

私の背中の方から『ビリ!』と音が聞こえた

「!」

私の背中についていたテープが剥がされていた

「お兄ちゃんの勝ち」

すごく悔しいそんな気持ちになったからか涙が出そうになったのを堪え唇を噛む

兄の背中には完全に剥がれきれていないテープが残っていた

「小夜?そんなに強く噛んだら血がで」

「、、、」

私は噛んでいた唇をさっきよりも強く噛んだ

「やめなさい!小夜!」

「、、、」

気づいた時には泣いていた

「!」

兄はびっくりした顔をしていた。そりゃそうだ私は誰にも泣いている顔を見せたことがない

私はその時自分にがっかりした、こんなことで泣いてしまうんだと自分の弱さに

気付かされてしまったからだ

私の唇の血は実戦訓練室にたれ、私はその場所から逃げるかのように走った

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