第8話
由貴さん、無駄に声がエロい。
「嘘……。俺、筋肉痛だったの?」
しばらくぐったりした後、俯せの状態で私の方に振り向いてそう言葉を漏らす由貴さんに、私は頷いた。
どう言う訳か知らないが、答えはイエスである。
由貴さんの背中を触った時、由貴さんの反応が変だったから、もしかして、凝ってるんじゃないか?
と思って、試しにちょっと押してみたら、さっきのあり様である。
「そうですよ。どうしてこんなに、カラダがこわってるんですか?」
「……なんでだろうね」
「背中の肩甲骨の下から、尾てい骨の上まで、カチコチでしたよ。やりがいありました」
私は中座の態勢だったが、流石に疲れて由貴さんの背中に覆い被さって寝転んだ。
「でも、別な所が……」
「えっ?」
「……セイ。やっぱ、ちょっと。ごめん」
由貴さんは、そう言うと私が由貴さんの背中から崩れ落ちない様にゆっくりカラダを起こして私を傍らに移動させた。
「どうされたんですか?」
「いや、変なスイッチが入ったんだ。もう、止まらないかも」
由貴さんは、私の両手を掴んで、由貴さんのお腹のあたりに持って来た。
由貴さんが、さっき言いかけた『別の物が……』と言っていた意味を体感して肩が震えた。
背中は確かにほぐれたのだが、引き換えにココがこわったのなら、謝罪すべきだ。
「ご、ごめんなさい」
「そこで、謝るなんて狂気だよ。今更、タダじゃ済ませられない」
「ええ! だって!!」
狼狽える私に由貴さんは、熱っぽい顔で私の唇を塞いで、身体を密着させた。
私はされるがままに激しいキスに応えて、由貴さんのこわったものを両手で包んだ。
ぎゅっと握ると、ビクンと由貴さんは身体を震わせた。
「あっ、うっ……。……すっごい、刺激」
「由貴さん、……ごめんなさい」
「謝らないでって。……セイ、お願い。もっと、触って。あっ、う……。お願い」
何か、私もカラダが熱くなって来た。
前みたいに、由貴さんに抱かれたい。
そう思ってしまった。
由貴さんの手が、私の腰を引き寄せ、私の秘部に昂ぶったモノを重ねた。
でも、重ねるだけで、それは入って来ない。
「由貴さん……」
「セイ。ごめん、我慢できない。……ゴム、着けて良い? 入れないけど、シーツよごしちゃいそうで不安なんだ」
「……どうぞ」
由貴さんは、ベッドのサイドボードからゴムを取り出し、パッケージを破って開けた。
由貴さんが着けるところを見ながら、延べ1か月半ぶりの光景に、息を飲む。
妊娠したら、ずっと、出来ないんだろうか?
最近、ネットサーチをシークレットモードで使う方法や、予測変換に敢えて出ない単語入力方法を覚えたので。
今後、調べてみようと思った。
「由貴さん。私、触っても良いですか?」
「……してくれるの?」
由貴さんがゴムを付け終わったのを見計らって、私は由貴さん腰元に身体を起こして由貴さんを見つめた。
「したい」
「じゃぁ、お願い…」
返事の後、由貴さんは私にキスをした。
私はゆっくりと由貴さんのゴムを付けた箇所に触れて、両手で撫でた。
オイルが着いているのか、ぬるぬるした。
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