第7話
「買い出しに行ってきます」
「あき」
「はい、何ですか?」
「俺も行こう」
「げっ」
「あ”ぁ? 文句あるのか?」
「あ、ありません」
『しず』と街歩くと、道行く人が道を開けるし
道行く人が私達を見ている。
今日は、いつも行く激安スーパーはよして、大きなスーパーだけにしよう。
「あき」
「何ですか?」
「お前、名前の漢字何て書くんだ?」
「え? 亜細亜のあに希望のき。お母さんが亜美だからって」
「そうか」
「あ、あの」
別に興味がある訳ではなかった。
でも、この流れだと聞かなきゃかな? って思った。
「しず、……さんは?」
いっそ雇い主だし、様って呼ぶべきかったかも。
「静かに流れるだ」
「えっと、じゃぁ、しずるさん?」
「んだ。知らなかったのか?」
「……ごめんなさい」
神埼 静流、かんざき しずる。
そっか、だから『しず』なのか。
「しずさん、で良いですか?」
「何がだ?」
「呼び方です、貴方の」
「貴方は止めろと言ったはずだ。今のままで良い。2度と呼ぶな」
「ごめんなさい」
「……分かれば良い」
気難しいけど、嫌いではない、かな?
不思議。
『しず』って意外と、愛くるしいかも……。
見た目がくまのぷーさんだったら、愛されるのに。
恐怖の雪男だ、『しず』はまるで。
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