第8話

神埼家に雇われて3か月が経った。






順調に職務をこなし、私は毎月10万と言うほくほくな収入を得ている。


気が付けば、収入的になんの不自由もない、高校生活を送っていた。


お弁当屋の頃は収入はともかく、とにかく拘束時間が長くて死苦八苦していた。



週3の仕事で、日常生活に生まれた余裕で、少し化粧をしてみたり、髪を巻いてみたりも出来た。


あっ、でも『しず』が難色示すのでバイト休みの日だけ。



学校帰りに遊びに行く事も出来る様になったから、買い食いして帰ったりも出来る様になった。

(今は週3で、前の弁当屋は平日ほぼ毎日出勤だったから)



お陰で、先週1つ上の先輩に呼び出されて告白と言うのを体験してしまった。



まぁ、そく断ったんだけどね。


だって、私、……きっと一生、男の人と何も出来ないから。




先週、告白された時、私は『あの事』を思い出した。


やっと忘れかけて来た、イヤな思い出を。



『 オカアサン。ソンナメデ ワタシヲ ミナイデ 』

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