第6話

何でウェイにボロボロにされた制服のポケットに入れていたはずの封筒を持っている?




『人を無理矢理抱いただけじゃ飽き足らず物盗りまで働いたか』




静かに怒りに震える私の前に、スーツに着替えを済ませたウェイが姿を現した。



こういうのを、飛んで火に入る夏の虫って言うんだ。



「すみませんでしたね。制服」



涼しい顔で私に微笑えむウェイは『えっ、何か怒ってる』って怪訝な顔をしながら自分めがけて飛んで来る、飛来物を見ただろう。




「謝罪不要。別件で、大激怒中よ!! サイテー!」




封筒を握りしめて、受け取った着替えをウェイの顔に投げつける。



すぐに状況を把握したのか、すっごいマズそうな顔をする。

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