第5話

「お色は、何がお好きでしょうか? 黒と赤の他でご要望がございましたら…」


「なぜ、黒と赤はデフォになっているんですか?」


「お若い方は好まれますので?」


「……白とサーモンピンクを」


「健康的で素敵でございますわ。では、わたくしはこれで失礼致します」


「朝早くから、ありがとう」


「いいえ、とんでもない事でございます。そうでした、フロントでこれをウェイ様に届ける様言いつかっておりました」





そう言って、綺麗に畳まれた服の上に見覚えのある封筒がしわくちゃの状態で乗っていた。


鏡で見れば、きっと私の眉間には、青筋が浮いているだろう。




「…渡しておきます」


「では、失礼致します」

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