第2話:夢から現実世界へ・・・。

「ほい、お待たせ・・・出来上がったよ・・・・」


「あ〜魔法陣か?」


「よく知ってるね」


「まあね、そう言うオカルト的で不思議な世界を扱った雑誌とか好きでよく見る

からね」


「そ・・・じゃ〜シューちゃんから魔法陣の中心に入って」


そう言われたから僕は円の真ん中に入った。

俺のあとにアワビちゃんも入ってきて、円の中心にふたりおかしこまりした形で

向かい合わせに座った。


「はいっ、シューちゃん私とハグして・・・」


「ハ、ハグ?・・・え?なんで?」


「さっきも言ったけど私がシューちゃんとはぐれちゃうとオヤジの夢の中に飛んじゃうかもしれないから・・・」

「はい、抱っこして・・・」


「あ、アワビちゃん現実の世界に行くなら、服着なきゃ・・・裸じゃマズいよ」


で、アワビちゃんは夢の中では自由に物を出せるから適当に服を出して着た・・・服って言っても水着だけど・・・。


「まあ、いいやそれでも・・・」


「じゃ〜ハグして」


だから改めて俺はアワビちゃんをハグした。


「我慢できないからイっちゃっていい??」


「そう言う言い方エロいから・・・」


「じゃ〜いくね・・・しっかり私を抱いててね」


「大丈夫しっかりアワビちゃんをホールドしてるから・・」


俺がそう言うとアワビちゃんは俺のクチビルにチュってキスした。


「え?今のなんのキス?」


「幸運のおまじないだよ・・・無事故無違反で無事に夢の外に出られますように

って、おまじない」


「無違反?ってなに?・・・これって違反行為なの?」


「じゃ〜、しゅっぱつしんこ〜!!」


「アイブシッテ〜セックスシッテ〜キモチヨ〜クナッテ〜マジイッチャッタ」


「なに?そのエロっちい呪文?」


アワビちゃんがそう唱えると、俺はフッと気を失っていた。

で、ハッと目覚めたところが?俺のベッドの上。


アワビちゃんを抱っこしたまま・・・。

だから俺は彼女を離さそうとした。


「もうちょっと・・・」


アワビちゃんはまだ俺を抱っこしてたいらしい。


「アワビちゃん・・・ここ俺のベッドだから、どうやら夢から出られたみたいだよ」

「君は無事に夢から人間界に来れたんだ・・・」


「私、バグってない?・・・顔が欠けてるとか?」


だから俺はアワビちゃんの全身のパーツが揃ってるか確かめた。


「大丈夫みたいだよ」


「どうやらおまじないのチューが効いたみたいね、シューちゃん」


「効いたみたいだね、チュー」


そうだよこれから日常で自分の好きな子と一緒にいられる・・・。

って喜んだのもつかの間・・・この状況を両親と妹になんて説明しようって

すぐに脳裏に浮かんだ。

いきなりアワビちゃんを連れて行ったりしたら、マズいよな。


どこで誘拐して来たとか、その子は成人してるのかとか、親は知ってるのか

とか、いろいろ聞かれるのが見えてる。


ここはさりげなく、少しづつ差し障りのないところから小出しして核心に

迫って行こう。


「アワビちゃん、悪いけど、俺がリビングから呼ぶまでここにいてくれる?・・・

いい時間が来たら呼ぶから・・・」


「分かった」


ってことで俺はアワビちゃんを残して二階からリビングへ降りて行った。

親父とおふくろはキッチンテーブルの椅子に座ってなにやら話していた。


「あの親父とおふくろ・・・ちょっと話があるんだけど?・・・」


なんとかアワビちゃんの存在を認めさせるしかない。

で、俺の夢の中の話とアワビちゃんてキャラが生まれたことと夢から現実の世界にやってきたってこと・・・それだけ説明したら上等だろう。

で、とりあえず説明してみた。


「周ちゃん・・・言ってる意味がよく変わんない・・・」


「今説明したじゃないかよ・・・俺の部屋にそのアワビちゃんがいるんだよ」


「おまえ〜いつの間に女の子なんか連れ込んだんだ・・・羨ましいじゃないか?」


親父が言った。


「集太郎さん、なにが羨ましいのよ」

「あんた、どこから自分の部屋に入れたの・・・ここ通らなかったわよね」


「分かった・・・論より証拠ってやつだよ」

「彼女を今連れて来るから・・・」


そう言って振り向くと、そしたらそこにアワビちゃんがニコニコしながら立って

いた。

まじでか?部屋にいろって言ったのに・・・。


つづく。

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夢の世界からお邪魔します。*奇数と偶数の彼女* 猫野 尻尾 @amanotenshi

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