夢の世界からお邪魔します。*奇数と偶数の彼女*

猫野 尻尾

第1話:サキュバスって夢魔。

俺の名前は「西岡 集にしおか しゅう」大学二年生:20歳。


サラリーマンの父親と半日パートの母親と俺の妹と二階建ての注文住宅で四人

暮らし・・・俺と妹の部屋は二階の向かい合わせの部屋。


父親の名前は「西岡 集太郎にしおか しゅうたろう」母親の名前は「西岡 愛美にしおか まなみ」で妹の名前は「西岡 麻央にしおか まお

妹は女子高生の17歳。


俺は発情期真っ最中・・・なにもないのにムラムラ悶々とする毎日。

大学に入学してからガフレもセフレも未だできていない。

一番エッチしたい年頃なのにそういうチャンスに恵まれないせいでギリな感情で

生きてるからか、よくエロい夢を見る。


でもって、あまりに欲求がピークに達して最近、俺は自分の夢の中に一人のキャラ「女の子」を生み出してしまった。

エロい夢だから、その子もめちゃエロい・・・髪は長くてグレーっぽいけど光の当たり具合によってはグリーンにもブルーにも見える・・・瞳もグレーっぽくて、おっぱいに至ってはなにカップか分からないくらいデカいし、お尻は桃みたいにプリっとしてて食ったら美味そう。


彼女は俺が好きなキャラのいいところだけ寄せ集めたような理想的キャラ。

まあ、それは当たり前だよね。


で夢の中の子の名前は「アワビちゃん」って言う。


ネーミング候補としては「 フォアグラちゃん」「キャビアちゃん」「フカヒレ

ちゃん」「トリュフちゃん」


で、結局「アワビちゃん」になった。

たとえ夢の中でも日本だからね、そこは日本の高級食材・・・洋風の名前じゃ

ないんだよね。

でも日本だからって言っても伊勢海老ちゃんとか牡蠣ちゃんとか雲丹ちゃんとか

鰻ちゃんとか松茸ちゃんなんてのは、いまいち・・・松茸ちゃんは俺だろって話。


で、夢の中のアワビちゃんは、いつもすっぽんぽん・・・まあ夢の中じゃ服なんて

必要ないからね。


でそんなアワビちゃん、俺の夢の中でなんと意思を持ち自我に目覚めた。

そして自分のことをサキュバスって夢魔だって言った。


サキュバスってキャラは男性を誘惑するために女性の形で夢の中に現れるって

女夢魔おんなむまってこと。

俺はエッチなことばかり考えてたからサキュバスが生まれたみたいだ。


なんで彼女がそんな存在なのかって言うと俺は子供の頃からオカルト、超自然現象

とか神秘的現象・・・現実には存在しないキャラクター・・・たとえば悪魔とか

特にエロいとされてるサキュバスに魅力を感じていたからだろう。

もし僕がアイドルが好きだったら夢の中のキャラもアイドル系だったんだろうな。


そう言うわけでアワビちゃんは俺の理想の女だと言えた。

それなのに夢の中で彼女とエッチとか、まだ一度もしたことがない。


俺は普段からチャンスがあったら女の子とエッチがしたいって思ってるくせに、

なぜかアワビちゃんとエッチすることに抵抗を感じてる・・・矛盾してる。

だからアワビちゃんに触れても夢だからか彼女から温もりも匂いすら感じない。

もしない。


それはアワビちゃんも感じていたのか、ある夜の夢の中でアワビちゃんが俺に

言った。

夢の中じゃ俺を抱きしめても温もりも感じないし匂いもしないって・・・だから、


「ねえ、夢の中だけじゃつまんないでしょ?・・・私と一緒に夢から出ない?」


「出ないって?・・・」

「いや、俺は目が覚めたら自分の夢から出られるけどアワビちゃんは夢から出ることなんかできないだろ?実体ないんだから・・・」


「出ることできるよ・・・いつでも実体化できるようになったの」

「今のままじゃ夢の中だけでしか私と会えないじゃなし、現実世界に出たら

シューちゃんを感じることができるって思うの」

「私シューちゃんを感じたいし四六時中一緒にいたいの」


「あ、分かるそれ、じゃ〜夢から出られるんなら一人で出て来ればいいじゃん」


「シューちゃんと一緒じゃないと私はシューちゃんの夢からは出られないの」

「一人で出ようとすると誰か他のオヤジの夢の中に迷い込んじゃうかもしれ

ないし・・・私、同じスケベでもオヤジの夢なんかに行きたくないの」

「絶対変態なことされるに決まってるから・・・」

「だからシューちゃんが自分の夢の中にいる時に私と一緒に夢の外に出よ、ね?」


「いいよ、分かった・・・で?俺はどうしたらいいの?」


「シューちゃんはなにもしなくてもいい、全部私が段取りつけるから」

「ちょっと待っててね」


そう言ってアワビちゃんは手にマジックペンを持って来た。


「はい、どいてどいて・・・」


アワビちゃんは、そこにしゃがむと床に何か書き始めた。

見てると、まず最初に大きな円を描いてその中に星の形を書いた、で周りに

読めないようなルーン文字みたいな文字を書き始めた。

しばらく見てて・・・床になにが描かれるのか俺でも分かって来た。


「ほい、お待たせ・・・出来上がったよ・・・・」


「あ〜魔法陣か?」


つづく。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る