第16話 受け付け嬢 【アヤメ視点】
何よ! あの女ムカつくわ! ギルマスが突然新入りが入るからと言うから、どんな女か控え室に見に行ってみたら……巨乳で美人とかあんなの反則よ! 悔しいけど、あんなに美しい女性を見たのは生まれて初めてだわ!
(ううっ……おでこ痛い。あの乳デカ女……絶対に恥をかかせてやるんだから!)
だけどやばい、このままではあのソフィアとレティとか言う女にギルドの人気の座を取られてしまう……レアルカリア冒険者支部の人気看板受け付け嬢の座は渡さないわ! 受け付け嬢の厳しさをその身に刻んで、直ぐに辞職させてやるんだから!
「あのレティと言う女が一番気に食わないわね……いや、私より可愛い女は全て気に食わないわ!」
ふぅ……落ち着くのよ私。でも、ここは先輩として仕事の方もしっかりと教えないと行けないわね。私個人の感情で、他の人に迷惑をかけるのはお門違いだわ。ここのギルドで働き始めてからもう8年……私も今年で26歳。大人の女性としての余裕ある態度で望まなくては行けないわね。
「アヤメちゃ〜ん、新入りさん達の面倒をよろしくね♪」
「きゃあっ……!? もう、気配を消して私の背後に立たないで下さいよ……ギルマス」
「ごめんごめん〜じゃあ私はもう行くね。今日から王都に3日間仕事で離れるから、何かあったら副ギルドマスターのワグネルさんに頼ってね」
「あ、了解です。ギルマスお気を付けて」
うふふっ……うるさいギルマスも今日から3日間不在。ギルマスは息を吸うように、若い女性職員にいつもセクハラをして来るからストレスの原因の一つでもあったのだ。私は女とイチャイチャする趣味は無い。私が好きなのは男! 女とイチャイチャするなんて冗談じゃないわ!
「ふぅ……」
あのギルマス、種族がハーフエルフだから実の年齢は誰にも分からないのよね。だけど、年齢の話しをギルマスの前ではしては行けないという、ギルドの暗黙のルールが存在する。一応この事も新入りに教えておかないと行けないわね。
「アヤメ先輩お待たせしました♪」
「貧乳先輩、宜しくお願いします」
「誰が貧乳よっ……! 失礼ね! ごほんっ……まあ良いわ。ソフィアさん、レティさん、では、早速始めますよ」
冒険者について一通りまずは教えて行こうかしらね。
「まず冒険者と言う職業について教えて差し上げます。冒険者とは、簡単に説明すると未知を既知にする者。未開の地を調査したり、魔物の討伐、街の人からの依頼をこなしたりと幅広いお仕事をする職業です。私達受け付け嬢のお仕事は、掲示板に貼られているクエスト受注書を承認したり、冒険者のサポートやギルドの書類仕事等が主にメインとなります」
「ふむふむ、なるほど……」
冒険者の階級についても一通り説明は済ませて置こうかしらね。
「冒険者にはF級、E級、D級、C級、B級、A級があり一番上にはS級と言うランクが存在します。それぞれの階級に応じてクエストの難易度も違うので、初心者の方は最初F級から始まり、一つ上に上がるに連れて昇格試験を受ける事になります。まずは、ここまでで何か質問はあるかな?」
「私は大丈夫です♪ レティは大丈夫?」
「はい、余裕で御座います。こんな脳みそスカスカ貧乳先輩でも務まるのですから、ソフィア様なら余裕ですよ」
「ちょっとレティ……!? あ、アヤメさん……レティの言葉はお気になさらずに……」
うぐっ……レティ……貴方覚えておきなさい。この私をコケにしたことを後で後悔させてやるんだから! 胸なんて所詮は飾り……女は中身が大事なのよ!
「あの……すみません。こちらのクエストを受注したいのですが……」
「はい、では依頼書の方を拝見致します。ソフィアさん、こうしてクエストの受注依頼が来た際は、ここの項目と相手の冒険者カードの項目を確認してから印鑑を押すの」
アヤメはソフィア達に一通りの手続きの流れを見せる。
「アヤメさん、そちらの方は新入りの方ですかい?」
「はい、貴方達自己紹介をしなさい。こちらはD級冒険者のモルドさんよ」
「今日からここに務める事になったソフィアと申します♪ モルドさん、今後とも宜しくお願い致しますね♪」
「レティです」
「おお! ソフィアちゃん、レティちゃん宜しくな! こんな美人さん達が受け付けしてくれるのは嬉しいな♪」
何よ……そんな鼻の下伸ばしちゃって。男はやはり、胸が大きい女の方が好きなの? ちょっとばかり顔やスタイルが良いからって……
「おいおい、あの子めっちゃ可愛くないか?」
「うひょおお! あの金髪の女の子と青髪の女の子、胸デケぇ……」
「彼氏居るのかな?」
「今度ご飯誘って見るか」
「あんな爆乳に夜の御奉仕されてみてぇぜ」
ソフィアとレティに気付いた冒険者達がヒソヒソと話しをしている。アヤメはその光景を見て下唇を強く噛んだ。
「すみません! アヤメさん、こちらの依頼を受けたいのですが!」
「あらあら♡ ジーク君ようこそ♪ ヒール草の薬草採取クエストですね。ちょっと待っててね♪」
この子は緑髪のE級冒険者のジーク君。堂顔で少し小柄な男の子だ。年齢は私より4つ下だけど、この子が初心者の頃から、私が目を掛けて来ているお気に入りの冒険者だ。素直で努力家で、私の大好きな想い人……私はこの子のお嫁さんになりたくて、遠回しにいつもアタックをしているのだが、天然なのか私の好意に中々気付いてくれないの……悲しい。
「美しい……」
「え、ジーク君?」
ジーク君の視線の先を見ると、何と新入りのソフィアとレティの事を見ているのだ。顔を少し赤らめて、顔と胸や太腿を交互に凝視している。
「ソフィアと申します♪ ジークさん、宜しくお願いしますね♪」
「よ、宜しくお願いしましゅ!?」
「うふふ……そんな緊張なさらずに」
私のジーク君に何色目を使ってるのよ! このデカ乳女! ジーク君も何でそんな恥ずかしそうな顔をしているのよ!? そんなデカ乳女にデレデレしちゃって……胸何かただの脂肪の塊よ!? ああああぁぁ……モヤモヤする!
「ジーク君! ここの欄にサインお願い出来るかな?」
「は、はい!」
アヤメは無い胸を手繰り寄せ、ジークの前で顔を赤らめ恋する乙女の様な表情を浮かべる。
「ジークさん、初めまして。私はレティと申します。以後お見知り置きを♪」
「は、はわわっ……!? よ、よろしくお願い致します! ふわぁぁ……綺麗ですね」
「うふふ♪ ありがとうございます」
なっ……!? レティが私の方を見てニヤニヤしてる。私がジーク君の事を好きだと、この短時間の間にバレてしまったの!?
「ジークさん、私の胸がそんなにお気になりますか?」
「そ、そんな事無いです!」
「そうですか? あそこがモッコリとしておりますが」
「なっ……こ、これは!」
「お触りになりますか? くすくす……」
「へ!? い、いいえ! それは流石に駄目ですよ!」
え、ジーク君このレティと言う女に発情しているの!? 何で……私にはそんな恥じらう顔をいつもしてくれないのに! ジーク君、私だけを見てよ! あぁ……もう! レティとソフィアが憎くて仕方が無い! 巨乳と美人は滅んでしまえ!
「ふっ……」
「なっ……レティさん。ジーク君に色目を使わないで下さい!」
「私は何もしてませんよ? もしかして、アヤメ先輩はこちらの殿方の事が……」
「なっ……!? ち、違うわよ! 私は仕事として!」
何よ……何なのよ! ジーク君が他の女と話してるのを見るだけで、何故か心がモヤモヤとする。何でこんなにもムカつくのよ!
「ジーク君、後はこちらで処理をしときますからもう大丈夫ですよ♪」
「あ、ありがとう御座います! アヤメさん、では行ってきます!」
「はい、お気を付けて♪」
はぁ……少しお花摘みに行こう。今の時間はそんなに人も居ないし他の同僚も居ることだから、少し席を離れても問題無いでしょう。
「ソフィアさん、レティさん、ちょっとお花摘みに行って来るね」
「はい! 行ってらっしゃいませ!」
「…………」
――――――――――――
「ふぅ……やっぱり個室は落ち着く」
あの場から逃げるようにしてトイレに来てしまった。ジーク君……どうして……どうしてこんなにも愛してると言うのに! レティのあの何かを察した様なニヤニヤした顔がむかつく!
「ジーク君♡」
照れる様に頬を赤らめるジーク君……確かに可愛くて胸がキュンっとしたけど、それを向けてる相手が自分では無く、あの胸デカ女のソフィアとレティ……確かにこの2人は同性から見ても魅力的で美しいとは思う。でも、私も美容の為にお金や時間を沢山費やして沢山努力はしている!
「ううっ……悔しい……何で、私じゃ駄目なの?」
もう私は今年で26歳。もう少しで行き遅れと言われる年齢となってしまう。生涯独身何て、真っ平御免よ! 早くジーク君のお嫁さんになって、ジーク君の子供を産みたい。私の身体はジーク君だけのもの……愛されたい。ジーク君とキスしたい、抱きしめられたい!
「はぁ……ジーク君……んんっ♡」
時折トイレの個室に籠っては、こんなはしたない行為をしてしまう。後ろめたい思いもあるけど、ジーク君の事を想いながらやると物凄く気持ち良いの。ジーク君のあれが欲しい……私だけを見てよ。ジーク君♡
「他の女にジーク君は渡さないわ」
「ほほう、アヤメ先輩……」
「えっ……!? レティさん!?」
「トイレの扉、鍵閉め忘れていますよ。そんな喘ぎ声を出しながら……ふふ」
「は、はわわ!?」
一番ヤバイ人にバレてしまった!? いつから聞いてたの!? うぅっ……恥ずかしい。
「私はアヤメ先輩の恋を応援しますよ」
「え、貴方……」
「この薬を呑んで下さいませ。これは私の里に代々伝わる秘伝の薬。これを飲めば誰でも巨乳になる薬……」
「巨乳になる薬ですって!?」
そんな薬があると言うの!? 今まで私は色々な事を試して来たけど、どれも結果は不発に終わる事ばかりだった。薬を呑むだけで、胸が大きくなるという、そんな夢のような薬が……ごくりっ。
「そ、そんな嘘には騙されないわよ!」
「嘘ではありません。騙されたと思って呑んでみて下さい」
いえ、絶対嘘に決まってるわ! そんな都合の良い薬何てこの世にある筈が無い! 特にこの女の言葉は、一番信用ならないわ!
「良いから飲んで下さい」
「あむむっ……!?」
「ちゃんとごっくんして下さいね」
「ごくっ……」
あぁ、半ば強制に飲まされてしまった。何だろう……身体がめちゃくちゃ熱い……あそこが疼いてしょうが無い。
「これで素晴らしい夢が見られますよ。まあ、効果は少しの間だけですけど」
レティがアヤメに呑ませた薬は、幻覚作用があるナイトメアの裏ルートで入手した媚薬だった。この薬を呑むと身体は熱くなり、そして……
「え、嘘……ジーク君?」
「はい、ジークですよ」
レティはニヤニヤとしながら混乱するアヤメの耳元で囁いた。
「愛してるよ……アヤメ」
「あ、あぁ……ジーク君♡ 私も愛してます♡」
「ほら、服を脱いで……僕の全てを受け入れてくれるかな?」
「うん♡」
レティは笑いを堪えながら、魔剣を取り出した。魔剣の柄をレティはアヤメのあそこへと向ける。
「アヤメ……愛してる……キスしようか」
「はい、ジーク君♡」
レティはアヤメの唇に自分の唇を重ねて舌を入れる。アヤメはうっとりとしながらそれを全てを受け入れている。
「ジーク君♡」
「アヤメ!」
「はぁ……はぁ……ジーク君!!」
あぁ……脳が蕩けてしまいそう。恥ずかしい事だけど、私は一度も異性経験が無くここまで年齢を重ねてしまった。でも、私の身体は全てジーク君の物♡ ジーク君の舌が私の舌に……あん♡ 下半身が熱い……私の中に暖かいのが入ってくる。大きくて固くて……ジーク君の初めてを私が独占しているこの幸せ♡
「アヤメ、僕と結婚してくれるかな?」
「はい、喜んで♡」
レティは堕ちたアヤメの姿を見て、欲望のままにアヤメの身体を貪った。アヤメは身体をピクピクと痙攣させながら、色々と漏らしてしまう。アヤメは薬の幻覚でレティをジークと認識してしまい幸せそうな表情を終始浮かべていたのであった。
「こんなに濡らしちゃって……アヤメはえっちな女の子だね」
「ジーク君の……あれが欲しいの。お願い、私の中に沢山出して!」
「やれやれ、アヤメ。じゃあ、挿れるよ」
「はい♡」
んん!? ジーク君のあれがこんなにも大きいとは……痛みは感じるけど、少しずつ私の中に入ってくるこの感覚。あと少しで赤ちゃん部屋に到達しちゃう♡
「どうかなアヤメ?」
「はい♡ ジーク君の太くて固くて……大きいのが♡」
ジーク君が私の身体で興奮していると思うともう堪らない! 今日は危険日だけど、ここでジーク君の子を妊娠すれば既成事実を作れる! ジーク君は誰にも渡さない。必ず私の夫にして見せるんだから!
独身おじさん、異世界で闇組織のボスのご令嬢に転生!? スラムで女の子を拾い母性に目覚めてママになる 二宮まーや @NINOMIYA_M
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