第23話


“テストお疲れ様、加賀美くん”


“お疲れ様”


“加賀美くんのおかげで数学はだいぶいい点数が取れたよ。教えてくれてありがとうね”


“こっちこそ、社会のノートを貸してくれてありがとう。おかげで俺も有栖川もだいぶ助けられた”


“役に立てたのなら良かったよ〜。それにしても有栖川さんすごいね〜。担任に褒められてたじゃん。こんな短期間で点数が上がった生徒は過去にいないって”


“本人の努力の賜物だな。俺もまさかここまで点数が上がるなんて思ってなかった”


“加賀美くんの教えのおかげだと思うよ。加賀美くん教えるの上手いもん”


“俺は大したことはしてないぞ。ちょっとしたサポートだ。有栖川は典型的なやればできるタイプだな。飲み込みも早くて教えるのがだいぶ楽だった”


“そうなんだ。ちなみに有栖川さんの平均点ってどれぐらいだったの〜?”


“全教科合わせて65点だな。前回が全科目赤点だったことを考えると飛躍的な向上だ”


“ろ、65点!?そんなに高かったの!?てか、前回全部赤点だったの!?それもやばいね!?”


“ああ。数学なんて7点だったらしいからな。それからすると、今回の点数は本当に驚異的な成長だった。これでとりあえずテストの点数での留年は回避だな。あとはあいつの出席態度次第だが…”


“それは大丈夫なんじゃない?有栖川さん、これからはちゃんと学校に来ると思うよ”


“そうか?俺は心配しているんだが”


“大丈夫だって。私、なんとなくわかるもん”


“まぁちゃんと遅刻もせずに学校に通ってくれればいいんだけどな。ちなみに星宮は平均点はどれぐらいだったんだ?”


”ろ、69点です…“


”なるほど“


”そのなるほどはどっちの意味!?“


”星宮は芸能活動があるからな。やっぱり両立は難しいよな“


”やっぱりそっちだよね!?ち、違うから…今回は諸事情があって調子崩されただけだから…!“


”なるほど、芸能人としての悩みか。いろいろ大変なんだな“


”いや、そう言うことじゃないんだけど…“


”…?“


”はぁ…まあいいや。えっとね、加賀美くん。私のもう少しで有栖川さんに追いつかれそうなテストの平均点はさておいてね。今日はちょっと加賀美くんに頼み事があって連絡しているんだけれど”


“頼み事ってなんだ?”


“加賀美くんさ、テレビに出たいとか思わない?“


”え?テレビ?“


”うんそう。実は今度ドラマの撮影があって原作は高校を舞台にした青春ラブコメものなんだけどね“


”おう…?“


”これはまだ表に出てない秘密の情報だから伏せて欲しいんだけど…舞台がうちの高校になりそうなんだよね“


”はぁ!?“


”それでさ、よかったらなんだけど、加賀美くん、そのドラマに出てみない?“


”いやいやいや急に何を言い出すんだお前は!?“


”大丈夫。私が事務所に言えばなんとでもなるから“


”そう言う問題じゃねーよ!“

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