第6話 山積した課題③メガストラクチャー

 今日はなんか頭が疲れてて勉強する気にもならなかった。ただ、時間もあったので作品における2つの課題について少し考えていた。そのうちのまず1つ、メガストラクチャーについて整理する。

 メガストラクチャーとはSFの醍醐味、巨大構造物のことである。創作物に登場するメガストラクチャーは有名なところではガンダムのコロニー、軌道エレベーター、マクロスの巨大船団、エヴァンゲリオンのジオフロントetc……大体この辺である。


 今作では環境科学都市『プランティア』を登場させる。酸素と二酸化炭素の濃度や太陽光が完全管理されて(まだこの辺はあやふやだけれど)、とにかく超最先端科学を実現していく世界にとって光となる都市である。


 わたしはこの都市を当初ブラジルに建設するつもりでいた。理由はいくつかあって開発途上国であるブラジルに建設することによって未来へのメッセージを発することが出来るんじゃないかと考えたからである。科学技術がある程度進んでいることも必要だったし、なによりあの自然はなににも代えがたい。大自然と人の科学が共生していくさまをブラジルなら雄大に描けると勝手に判断したのだ。


 ただ、この手の問題が発生したさいは一応父に相談する。父は建築設計士で構造の専門家である。だから夕食時に何気なく会話として切り出した。


「あのさ、ほにゃららな作品を書こうと思って。世界で最先端の環境都市を建設するならどこやと思う?」


 大体この手の質問をするといつもは「無理」で帰される。だが今日は意外にも答えが帰ってきた。


「北欧じゃない?」(←即答)

「えっ……」


 北欧はすでに環境先進国として知れ渡っている。意外性も無ければ作品に乗せるメッセージも薄くなる。ストーリーとして非常に作りづらいのだ。


「あのさ、ブラジルとか……」

「ブラジルは財政も悪いし、森林破壊もしまくってるやろ」(←ブラジルの皆さんごめんなさい!!)

「いやでも未来へのメッセージが……」


 納得がいかず、しつこく聞いてたら面倒くさそうに「ぁあ?」っていわれたのでとりあえず黙る。まあアレだよね、軌道エレベーターとか説明しても「無理」で即答する人だから(構造上持たんってことね)。普通に理論で考えたら北欧だって分かってますよ、こっちも。でも北欧かな、北欧ってまったくイメージしてなかったわ。


 しばらくうんうん悩んでいると母が助け船を出してくれて酔って機嫌をよくした父が再びこういい出した。


「ブータンとかいいんじゃない?」(←ほろ酔いで)

「なんで?」(←真面目に聞いた)

「いや、ほら幸せの国っていうし……」


 あんた適当やろがーーーーー!!!!


「あのさ、ものすごい科学技術が発明されて、財政基盤整ったらブラジルでもいいってことやんね?」

「まあそうじゃない?」


 ということでまあものすごい技術が開発されて財政基盤が整うってのはストーリーラインにもあってますし、東南アジアとかもいいんじゃないかって一時思ったんですがブラジルでいいかなと思ってます。こういうの難しいね。たぶんいろんな意見があるんだと思う。

 ちなみにブラジルでは森林伐採は減りつつあります。環境保全も進んでいるから。なおさらいいんだと思う。うん。もう決めた。


 さて、次回は冒頭のシーンついて。北野武監督のスイッチインタビューを観たからそのことについても触れます。今日は妄想しまくってたな、ふう。

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