第20話

奈央の判決は『懲役6カ月』だった。

特殊詐欺は厳罰化が進み、初犯でも実刑判決が増えている。

それほど重い罪だが、犯罪意識が無いまま加担する者が多い。


服役中の奈央は、心底から後悔して反省した。

あんなに簡単にお金が貰える理由わけがない。

少し考えれば解ったはずなのに……。


それに、お受験。

あれは『必要経費』だったのか?

美咲のように冷静になれたら、状況は変わっていたのでは?


反省して反省して6カ月が過ぎた。

6カ月間で面会に来たのは、実の両親だけだった。


陽介には会えなくても、光希に会いたい。


でも無理だろう。

陽介の親族が、特に、母親と妹が会わせるわけがない。

出所したら離婚届に判を押すことになる。


奈央は、刑期を終えて外に出た。


刑務所の門まで迎えに来たのは、陽介と光希だった。

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