無茶苦茶な困ったリーダー

白鷺(楓賢)

プロローグ

黒木俊一は、誰もが認めるエリートだった。表向きは。若くして数々のプロジェクトに関わり、その名を社内外に広めた。しかし、その評価は単なる見せかけに過ぎなかった。彼には決定的な何かが欠けていた。それは、リーダーとしての軸だった。


何度も会議室で力強い言葉を口にするが、次の日にはまるで別の人物かのように違う方針を語る黒木。その場しのぎの判断に、部下たちは困惑するばかりだった。


それでも、黒木は自信満々だった。自分がリーダーとしてふさわしいと信じて疑わない。だが、その「無軸」のリーダーシップが、やがて組織を蝕み、彼自身をも破滅へと導くことになるとは、誰もが気づいていたが、ただ彼だけが気づかなかった。


物語は、そんな黒木俊一の、無軌道で混乱したリーダーの姿を描き出していく。

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