第4話  瞬の行く末

瞬の小説の担当編集者塚本が「これ、読んでみたけど没、これはこの書き方で大丈夫。これは良いアイディアだ、この人にしよう」と話合いをして決まったのが瞬だった。その結果、瞬を気に入って何時も瞬の家に来ては、瞬の小説を読ませて貰って居た。今回は、瞬の小説の案が頭から消えていくような気がしていた。瞬が「やっぱり、僕には無理なのかもしれない。小説何て、書ける訳がない」と書き終えた原稿用紙を周りに散らかした。瞬は「人の仕草や、考えている事、想っている事も全部小説に書いてしまえばいい」と想っていたのにどうしても書けない自分に苛立っていた。瞬はお風呂に入って「自分が小説に追われている毎日に嫌気が差すなぁ」と想っていると、お風呂から瞬が出て来て佳代子にメールを送った。瞬が「佳代子、今じゃなくて、明日暇を見て家に遊びに行きたいから良いかな?」と佳代子にメールを送った。そして車で一時間、歩いて二時間の所に住んで居た。玄関のチャイムをピンポンと押して、「はいはい」と言って佳代子が玄関から出て来た。佳代子が「あら。帰って来てくれたのね。嬉しいわ」と言って瞬を出迎えた。瞬が「僕は、小説を書くのが締め切りに追われていて原稿用紙を書いている自分を想像して嫌だった。もう、辞めようかなぁと思っている」と佳代子に相談を持ち掛けた。佳代子は「今すぐ決断を出さなくても、また小説が書けるようになるわ。悲観しないで、もっと楽しく生きて行きましょう」と励ましの言葉を掛けた。

瞬が「そうだなぁ。相談に乗ってくれてありがとう。また頑張れる時に頑張ろう」と心の中で佳代子の言葉に勇気を貰った。佳代子も瞬が居なくて寂しそうな顔をしていたが、瞬が来てくれた事で笑顔になっていた。その日、瞬は久しぶりに佳代子と一緒に手を繋いで寝た。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る