第5話『宿とファニーと誘拐狂』

「ファニー、宿は?」

「あるけどお金みたいなものはあるの?」

もちろん今の制服を売ったら金にはなりますが、流石に半裸はまずいです。

「なんかあったかなー」

服のポケットを漁る。

ハンカチ、ティッシュ、家の鍵、スマホ、お菓子、レシート、財布

「財布?」

中を開けると、約3万5000円と小銭が少々ありました。

「このお金使えるの?」

「しっかりとした貨幣はないから、多分使えるはず」

「よかった〜」

「まあ、使えなかったら私の部屋に来るといい」

そしてくぅじーとファニーは宿に向かった。

「いらっしゃい」

「ここにしばらく止めてくれ」

「あんちゃん、金は?」

「これを」

さっきの日本円を出す。

「うーん、兄ちゃんこれ使えないなぁ」

「嘘、まじ?」

くぅじーは素っ頓狂な声を出した。

「ああ、金が無いならウチで働くといいぞ」

「なってなぁぁぁぁい!!」

いきなりの発狂にみんなそっちを向く。

「まず金が無いことに漬け込むのはとてもいい、しかし!そこからが直球すぎる!」

「兄ちゃん、何言って」

「もっと、『ここで働けば、いつかは沢山お賃金貰えるよ』と言えばホイホイ付いてくる」

「にいちゃん、なに者だい?」

「聖職者くぅじーだ!」

「くぅじー様!!」

そしてピンク頭の聖職者は部屋に転がり込んだ。

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