RE「 」

@arroz4blanco

第1話

RE「 」

カシャ、、、とれた。

たおれてしまった、

男の人が心配そうな顔で近づいてくる。周りの人もそれに駆け寄り、多くの人の顔が私を覗き込む。

知らない人。でもどこかの誰かに似てるから少し安心する人々、みんな悲しそうででもよくわからない顔をしている。痛みはない、どこにも外傷はない、、、はずなのに、

心はソレを否定している。


創歴2120年 5月16日 マラガ公国北西部

海に面した絶好の観光地であるこのミハス別名白の都市。観光地というだけあって活気に満ちている。

「やはりここを選んで正解だな、飯はうまいし、治安もい」

「おい!逃げたぞ!捕まえろ、窃盗だ!」

フードを深く被ったものはその場から逃げて狭い路地へと入って行く。

俺はそのものの手を掴んだ。

小柄な手だ。

「おっと、お嬢さん。窃盗はいけない、ちゃんと代金は払わないと。」

「あの、これはその、あっ」

埃が立つ。

その時、このモノトーンな世界に映る一筋の色が目に入った。

(赤だ。)

綺麗な色だなとそう思った、赤に染まったその髪は全てを忘れそうなほど。

「その髪、、」

「これは、なんでもないんです。」

小さきものはその場から消え去った。

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