閑話 あらすじ、人物紹介及び用語解説
おしながき
・あらすじ
・人物紹介
・真里谷武田
・山内上杉
・その他
・用語解説
・幕府関連
・軍事関連
・地理関連
あらすじ
扇谷上杉家の領土を増やし下総に進出した上杉朝定であったが、未だ北条軍と直接対決するほどの勢力には成長出来ていない。飢饉を中心とした災害対策を行いつつ、内政に注力しようとする…が、新たな北条家の当主、北条氏康が遂にその本領を発揮し始める。
──戦国乱世の大名に安寧などなく、再び謀略の渦に巻き込まれる関東はどのような変化を迎えるのだろうか──
人物紹介
真里谷武田
年齢 22
官途 三河守
立場 真里谷武田家当主・真里谷武田嫡流・小弓派
武田家は武田家でも上総は真里谷の当主。そもそも武田氏自体沢山あり、どれがどれだか分からない上に真里谷武田家は分裂している。そもそも上総武田氏の庶流が真里谷武田家、ややこしや。
氏康と同年で真面目そうなキャラになってしまいキャラ被りが発生した。安心してほしい、氏康の方が優秀だろう。だが、史実では里見義堯が上総を横取りしようとしていることに勘付き、ライバル武田信隆の嫡男と共に戦っている。最後には力及ばず自害した。
だが、真里谷武田の嫡流として真里谷武田を守ろうと必死だったのが伝わってきた。ライバルの北条が供養していることからも、悪い人ではなかったのかもしれない。ただ里見の敵になったから敵の敵は味方理論だったかもしれない。解釈次第か。
年齢 30
官途 式部丞
立場 元真里谷武田家当主・真里谷武田庶長子・北条派
武田信応のライバル。嫡男でこそないが、信応の兄である。おそらく、信応と信隆、彼ら2名が争わなければ──あるいは、争いが起こるような家臣団の分裂がなければ──真里谷武田家は、後世まで残っていた、かもしれない。小弓公方から逃げ切るガッツはある。逸話だと里見義堯に百首詠んで城から撤退したとかなんとか。
山内上杉
年齢 15
官途 兵部少輔
立場 山内上杉家当主
本作主人公扇谷上杉朝定と近い年齢、同じ上杉家、挙句通称五郎というそっくりさん。混乱するから似せないで?成田・安中・藤田・小幡・長野氏等の家臣団を従え、小弓公方亡き今、
史実で長尾景虎に家督と関東管領を譲って上杉謙信にしたことで有名。
年齢 46
官途 信濃守
立場 山内上杉家臣
長野氏で信濃守なのに
史実で北条氏康や武田信玄の侵攻を幾度も耐えた群馬の名将。
その他
年齢 41
官途 左馬頭
立場 元関東管領・上杉義勝父
古河公方足利晴氏の兄弟。関東管領山内上杉氏に養子として入ったが、享禄の内乱で長野氏を味方につけつつも安中、小幡、藤田、用土、成田氏と敵対し敗北、山内上杉は憲政が継いだ。義勝に嫌われ中。
年齢 40
官途 弾正少弼
立場 上総地方領主・土岐氏庶流・万喜城主
名門土岐氏の分家。史実では1583年まで生きた長生き。今は里見方に着いている。弾正少弼が多すぎてややこしい。
年齢 34
官途 関白・太政大臣
立場 藤氏長者・近衛家当主
用語解説
幕府関連
室町幕府
鎌倉幕府を滅ぼした後、南北朝のゴタゴタの中成立した。京都の室町に御所があるため室町幕府と呼ばれる。御成敗式目を主軸にしつつ、建武の新政の一部も取り入れ地方分権化を進めた。足利氏中心の権威を確立し、嘉吉の乱やら応仁の乱やらありつつもなんだかんだ豊臣秀吉の時代まで権威が残っているあたり治安はともかく生存能力については凄まじいものを感じる。乱世を作ったのは御愛嬌。
公方
御公儀、つまり治世する統治者のことが転じて足利氏を公方と呼ぶ。東国には鎌倉公方、古河公方、小弓公方などなど様々な公方がいる。が、遂に勢力を残すのは古河公方だけになった。だが混沌の時代は終わらない。
関東管領
上杉氏が世襲していた。室町幕府の出先機関鎌倉府のNo.2。名目上任命は室町幕府が行うなど、鎌倉公方と
足利
源氏の名門。平安時代より勢力を広げ、鎌倉幕府の執権北条氏とも関係が深く、鎌倉幕府を滅ぼした後北朝を建て日本を統治した一族。なんだかんだいって、まだ彼らの秩序は残っている。なんなら徳川は足利一門扱いの新田氏の末裔を名乗り幕府を開いているため、足利氏が作った秩序は明治維新まで続いたと言えなくもない。
三職七頭
室町幕府の要職を務める家柄のこと。三管領の斯波氏、細川氏、畠山氏に続き四職の山名、一色、京極、赤松、名門土岐氏に申次役の伊勢氏、関東管領で外戚の上杉氏の以上十の大名を指す。
上杉
もとは藤原氏の地下家(位の低い貴族)として京都にいたが、足利氏と縁戚関係を結んで台頭した一族。様々に分裂したが、名門として名を残している。
後北条
鎌倉幕府の北条氏にあやかり、伊勢氏であったのを氏綱が改姓した。下剋上やら何やら言われているが、後北条対上杉は紐解けば室町幕府の重役が戦っているだけともいう。とにかく強い。
軍事関連
陣触れ
出陣命令や軍令のこと。
夜討ち・朝駆け
夜や早朝は敵に隙ができやすい。そこを攻める戦法。
空城の計
兵法三十六計の一つ。敵の警戒心を誘う奇策。三方原の戦いの後徳川家康が使ったのが有名か。高度な駆け引きが要求されるため、あまり使われない。
包囲
人は戦うとき、前しか見れない。前にいる敵としか戦えないのだ。敵味方が複数人いる場合や、遠距離攻撃が行われる場合はなおさら包囲が有効である。大抵の戦術は包囲か、或いはそれの対抗策突破を中心に発展している。戦術の源流、基礎の基礎だ。
後詰
籠城戦などで、味方を救援するための援軍や、それらが着陣すること。どんなに堅い城も、後詰がないと落とされてしまう。豊臣秀吉の北条征伐の折、東国一の堅城小田原城が降伏したのも一例と言えよう。
渡河
川を渡ること。隙ができやすく、敵の妨害を受けやすい。川は、防壁にも水路にもなる特殊な地形なのだ。
太刀
皆大好き日本刀のうち、腰に刺さず
長巻
大太刀から派生した武器。大太刀や野太刀といわれるような大きな刀は総じて扱いにくかった。そのため、刀身の中ほどまで太糸や革紐を巻いた中巻が広く普及した。そこから、刀身に長い柄を付けるものが造られるようになり、長巻と呼ばれ戦国時代に大いに使用された。西洋の両手剣、ツヴァイハンダーと似た進化の仕方である。ツヴァイハンダーって名前かっこよ。
印字
投石のこと。現代に入ってからも学生運動で用いられるなど、基本的かつ有効な戦法。布や糸、手ぬぐいを使って投げるとより速く、遠く飛ぶ。でん◯ろう先生が爆速でボールを投げる動画を見ればよくわかると思います。でも、危ないので良い子は真似しないでね。
水軍
豪族や海賊が発展した水上戦力。海や川などで舟を駆って戦う。西国では瀬戸内海を中心として広く割拠しているが、江戸湾にも水軍がいる。
地理関連
河越城
川越市にあった城。江戸城陥落より扇谷上杉家の本拠であり、江戸幕府も中期まで老中の居城であった重要な城。別名は初雁城、霧隠城。本丸に富士見櫓がある。連郭式であり、本丸と二の丸、三の丸が一直線であり、堅城である。その外に中曲輪や追手曲輪があり、第二章では三の丸と共に開放したが、中曲輪には綱成は来なかったようだ。かの有名な太田道灌が築城した。主人公上杉朝定が城主。
江戸城
皆知ってる東京の城。現代には皇居として活用されている。ここも元は太田道灌が築城し、後に徳川家康が改修した。当然、超重要な城。扇谷上杉前当主、上杉朝興が北条に奪われた。この時代は北条綱高が城主。
国府台城
江戸川(太日川)の東に位置し、江戸湾岸にある堅城。要所にあり、河越城と同じく連郭式の平山城。要害堅固。
小弓御所
小弓城のこと。現代の千葉市にあった。足利義明が千葉氏家臣原氏から奪取した。
古河御所
古河城のこと。茨城県古河市にあった城。渡良瀬川の東にある。古河御陣とも。足利晴氏が居城。
小田原城
東国一の堅城。上杉謙信さえ跳ね除け、豊臣秀吉すら力攻めしなかった…(尤も、彼は力攻めより水攻めや兵糧攻めが好きそうだが)北条の本拠である。
多摩川、荒川、太日川(江戸川)、利根川
多摩川は東京と神奈川県の境となっている川。荒川は埼玉県と東京を通っている川。太日川は江戸川のことである。利根川はこの時代、江戸湾に流れていた。
関東
武蔵
現代の埼玉県、東京都。広く、豊かだが当時はまだ田舎。
相模
現代の神奈川県。鎌倉があり、歴史的にも重要な土地。北条が支配している。
伊豆
伊豆半島にある律令国。同じく北条が支配。
房総(下総、上総、安房)
今の千葉県。下総が北で、君津より北が上総、房総半島の先端が安房。
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