第32話 バカップル?
結局、あたしは江州の腕に捕まるように組んで、胸を隠すように身体を密着させて、胸を江洲の腕に押しけて、カバンを持っている手でスカートの後ろを隠すという、ラブラブカップルのように歩く事に。
周りから見ても、これは甘えん坊の可愛いカノジョだよね。
当然、ギャル系のあたしと江洲とはタイプが違い過ぎるから、なんでギャルがあんな男にって視線を感じる。
あたしは、そう見られてもいいんだけど……。
江洲は困ってない?
なんて、チラチラと頬を染めている表情で江洲の顔を見上げると、決まって江洲は
腕をグリグリって動かしてきて、あたしの乳房の突起を擦ってくるんだから……。
その度に、身体がピクピクってなって、乳首はますます固くなって尖ってあたしは
「んっぅ……あんっ……もぅっ……」
って、甘い声を出ささせる結果に。
どこからどう見ても、カレシに甘えてる可愛いカノジョです。
っていうか……バカップルです。
でも、実は少し嬉しかったり。
「あんっ……えっちぃ……ばかぁ」
なんて甘えるように言いたくて、わざとチラチラと江洲の顔を見てました。
歩幅がどんどん小さくなる代わりに、クチュって音が大きくなっていくのも
恥ずかしいけど、それすらも嬉しくて。
ふはぁ……カレシに意地悪されて悦んで濡らしているカノジョの図ってやっぱり、いいよね。
他の人だと絶対に無理だもん。
江洲はあたしにとって、替えの効かない存在に、もうなっちゃってる。
電車に乗る頃には、すっかりあたしはトロトロ。
「真鈴の良い匂い」
って囁かれて、またあたしは顔を真っ赤にして、言葉責めに蕩けさせられて。
恥らいながら
「やだぁ……いわないでよぅ……出夢のばかぁ……」
なんて、すっかり甘えん坊のカノジョです。
その……なんて言うか、ほら、その時に応じてあたしの呼び方を変えてくるのもさ……。
今回は「真鈴」って、羞恥心をより煽ってくる方を選んでくるし。
そして、それを否定しないで、あたしは「出夢」って呼んじゃったり。
あたしが女の子の香りを漂わせてる事を指摘されても、否定もしてないのは、もう隠しようもないんだもん。
下腹部の奥が疼いて、溢れ出すが止まらないし。
香りを強くされてるのに、否定してもね……。
「秘密だった?」
いぢわる。
普通は言わないでしょ?
そんな事をさー。
でも、いぢわるされてるって分かってて、それを楽しんでるのもバレちゃってるから。
デリカシーがないとか言わないし、何だろう……ある意味においては、それを言える仲っていうか……カレカノって感じがして、嬉しくもあるから。
「秘密じゃないけど……他の人に聞こえないように……ね」
あぁぁっ……自爆するの好きだなぁ……。
やっぱり、もっと言葉でいぢめてって言ってるようなものだし。
「真鈴がマゾって事を?」
「んっ……あっ、だめぇ……それは……んぅ……今はだめぇ」
あたしが被虐心を煽られてるっているって事を感じている時に、それを言ってくるんだもん。
えっちな声が出ちゃっても仕方ないんだよ。
「じゃあ、学校で」
あたしは、その言葉に小さく頷いた。
学校で江洲から『真鈴のマゾ』って言われる事を想像して、悶えそう――。
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