第31話 お預け?

「もう充電は充分でしょ?」

 やだ……これってお預け?

 ふるふるって首を横に振らせて、人に見られながら少しお尻を突き出して左右に振さられ、あたしにおねだりさせる意地悪さ。


 そういう所も好きだけど。

 だって、江洲に意地悪されるのも、苛められるのも好きになってるから。


 当然のように、熱くなってる身体。

『まだっ』って、アピールもしたいからしちゃう。

 江洲の前では遠慮しなくていいもん。


「学校で充電するから」

 その言葉は、あたしにとって、思い留まらせるに十分だった。

 お預けされて、しかもガッコで苛めてられたら……って想像したら……。

 ゾクゾクと背筋から脳天にかけて電気が走る感覚を容易にイメージできる。

 凄く、すっごく気持ちいいって分かるから。


 涙目になりながらも、小さく頷いて

「じゃぁ……パンツ……買って」

 こんな事を言っている自分が恥ずかしい。

 けど、嬉しい。

 興奮しちゃう。


 今は我慢するから、家までのパンツを買って。

 つまりは、パンツは鞄の中にも入っていない事をバラした上に、『江洲の選んだのを履くよ?』って、感じになってるから。

 それに、江洲と一緒にランジェリーショップに行くってどうなのよ。


 ゾクゾクするのも当然だよね。

 つくづく江洲の前では、マゾ性が抑えれないなぁって思う。

 イヤじゃなくて、嬉しいんだけど。


「え?枝務さん、パンツ履くの?」

 いやぁぁぁんっ……ばかぁ……。

 履くよ、履くに決まってるよ。

 って、言いたかったけど、きっと江洲の前では履かないんだろうなぁって思うから即答で否定できなったばかりか、迷っちゃった。


「あんっ……江洲……脱がせたいの?……えっち」

 結局、口から出た言葉はこれ。

 これってどうよって感じな言葉をつい……太腿をモゾモゾ動かしながら。


 最初から履いてない方が、えっちに決まってるよね。

 それに、江洲になら、あたしのパンツを脱がせてもいいよって言っちゃってるし。


 顔が熱いし、身体も熱い。

 さっきから恥ずかしい事ばかり言わされて、言っちゃって。

 それで、興奮しているから。


 そしたら、江洲がブラウスの上から、あたしの乳首を指で摘まんできて……。

「あっ、あぁぁっん……だめぇ……んぅぅ…いぢわるぅ」


 あたし、ホントにダメダメだ。

『じゃあ、ブラもパンツも無しね』って、言ってる事が仕草で分っちゃう。


 挙句に、コクンって頷いちゃって

「……あぁん、履かないからぁ……」

 もう、完全に露出好き痴女だよ。

『いつもノーパンノーブラです』みたいになっちゃってる。


「真鈴…我慢するから……明日、明日……絶対だよ?」

 上目遣いで、念押しのおねだりしちゃって。

 甘ったるい声で、こんな事を言うなんてね。

 恥ずかしすぎて、おかしくなりそう。


 恥ずかしいから、おかしくなって、気持ち良くなって。

 それでいて、期待感を煽ってきて、あたしの被虐心を刺激してきて。

 江洲の前だと、あたしってちょろすぎだよね。


 っていうか、江洲があたしに恥ずかしい事を言わせるのが、上手すぎるんだよ。

 このドS。

 だからこそ、独り占めしたいんだけどね。


 あたしの被虐性をくすぐって。

 あたしのマゾ性をもっと開放させて。

 江洲の前だったら、我慢していた事を我慢しなくていいんだから――。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る