第59話 借金ゼロ生活

 牧原さんはライブ配信へ行ってしまった。案外忙しそうだな。

 こっちはこっちで倉片さんとまったりとした時間を過ごす。


 動画編集をしたり、たまに雑談をしたり――そうして夜はけていった。


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 それから翌日。

 ひたすら動画編集と撮影を繰り返す毎日。つまり、仕事を順調にこなしていった。

 伊勢崎さんも江の島から帰還して、仕事を再開。

 牧原さんを補助したり、逆にしてもらったりしているそうだった。


 四人で力を合わせ、エロ動画で稼いでいく日々。


 一週間、二週間……そして三週間が経過した頃。



 ついに広告料の『入金日』が来た。

 ある意味給料日で運命の日だな。



「この日がきたよ、倉片さん」

「……ようやくなんだね!」



 織田に奪われた分、この三週間で稼ぎまくった。その額『一億円』。と、いっても伊勢崎さんと牧原さんの分を合わせてだけど。


 俺と倉片さんのペアだけで見た場合は半分だ。

 それでも十分すぎるけど。


 あれ以来、コスプレしたり野外撮影をしたりなどなど趣向を凝らしていった。その甲斐かいもあり、再生数が落ちることはなかった。

 むしろSNSにフォロワーがついて支援してくれる人も現れたくらいだ。


 おかげでモチベーション維持にも繋がった。



「伊勢崎さんの好意もあり、今回は倉片さんの借金をゼロにする」

「本当に!」


「ああ。これでもうチャラだ」



 俺は即座に必要な手続きを進め、倉片さんの口座に必要な額を全て振り込んだ。そして、倉片さんにアプリで口座を操作してもらい、全額返済に充ててもらった。

 きちんと履歴も確認した。


 問題なし!



「おわったな!!」

「う、うん……やっと……」



 ぽろぽろと涙を零す倉片さん。嬉しかったんだろうな、てか俺も嬉しかった。やはり、借金がなくなるって良いものだな。

 しかも、今まで一億というとんでもない額があったわけだからな。

 多少俺が支援していたが、それでも完済には届かなかった。


 しかし、今日ようやく全ての返済を終えて、倉片さんは晴れて自由の身となった。スッキリしたな。



「もう二度と借金するなよ」

「うん、誓うよ。もう絶対にしない」



 指切りして約束をしてくれる倉片さん。よし、もう大丈夫だな。



「あと伊勢崎さんに感謝すること。今は会社が肩代わりしてくれたようなものだからね」

「今から言ってくるね!」


「おう。俺も一緒に行く」



 撮影部屋へ向かうと伊勢崎さんが丁度配信を終えたところだった。大人のオモチャが床にいっぱいだぜ……。



「あら、どうしたの倉片さん」

「あの、伊勢崎さん……ありがとうございました! ついに借金ゼロになりました」

「よかったじゃない」

「おかげで人生変わりました」


「うん。これからも会社の為にがんばって働いて欲しいな」

「もちろんです。この御恩を体で返しますっ!」



 その言い方でいいのかよ、倉片さん!

 ……まあいいか、今までそうしてきたわけだし。相手が俺オンリーなので許す!

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