第44話 エロ動画を作り続ける!

 甘くてとろけるようなキスを交わし、甘いひと時を過ごした。

 時間を忘れてイチャイチャしていると、かなり時間が経っていた。……眠い。


「もうこんな時間か」

「帰る?」

「いや、一泊しちゃおう」

「賛成! 限界まで歌っちゃおうっと」


 凄いな、倉片さん。

 まだそんな元気があるのか……!

 俺なんてのどがもう限界だぜ。

 それに眠気も。


 ソファへ横になって、俺は睡魔すいまと戦った。だが、直ぐに敗北を知った。

 残念ながら――寝ちまった。



 ◆



 目を覚ますと見知らぬ部屋にいた。

 あぁ、そうだった。倉片さんとカラオケしていたんだっけ。


 倉片さんは横になって眠っていた。

 寝顔が可愛すぎる。


 記念に写真に撮っておこうとスマホを取り出そうとすると、連絡が入っていたことに気づく。


 これは伊勢崎さんだ。



 伊勢崎:織田っち、捕まったって!? 警察の人から連絡が入ったよ!



 そうだった。伊勢崎さんに共有しておくのを忘れていた。俺は、今日あったことを細かく書いて送信した。


 まだ朝の六時だから返信は来ないかと思ったが――。


 すぐに反応があった。

 起きていたのか。



 伊勢崎:マジで! 織田っちと戦ったの? ケガない? 大丈夫?


 キョウ:はい。大丈夫です。俺も倉片さんも無傷です。今はカラオケ店で一夜を明かしたところですので心配しないでください


 伊勢崎:そっか。よかった! また帰って来てね!


 キョウ:了解です



 ここで連絡を終えた。

 少しして倉片さんが起床。俺は伊勢崎さんから連絡があったことを話した。



「そうなんだ。なんだか、心配掛けちゃったね……」

「ああ。これから会社へ戻ろっか」

「そうだね。伊勢崎さんひとりで寂しいだろうし」


 それに、いったんはこれからの事を話さなければならない。

 三人で動画撮影していくのかどうか。


 もちろん、食っていく為には仕事を継続していくしかないんだが……。


 倉片さんの借金返済もあるしな。


 さっさと完済して楽にしてやりたい。



 カラオケ店を去り、明るくなった街中を歩く。う~ん、朝は朝で清々しくて好きだ。



 徒歩で向かい――到着。




 エレベーターで上の階へ上がり、到着。部屋まで向かい、扉を開けた。

 すると直ぐに伊勢崎さんが出てきて俺の手を握った。



「おかえり!! キョウくん! 倉片さんも!!」



 倉片さんの手も握り、ブンブンと振り回す。

 寂しい思いをさせてしまったかもしれないな。



「すみません、伊勢崎さん」

「ううん、いいのいいの! 無事に帰って来てくれて嬉しい」



 中へ入ってゆっくり話そうということになり、編集部屋へ。



「さっそくですが、今後は三人体制でやっていくしかありませんね」

「そうだね、キョウくん。君の編集技術にかかってるよ!」


 伊勢崎さんはお願いねと、頭を下げた。上司からここまで頼まれては仕方ない。会社の存続もかかっているしな。



「解かりました。俺に任せてください!」



 今後も倉片さんとエロ動画を作り続ける。そして、なんとしてでも借金をゼロにする! それが今の最大の目標だ。

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