倉片さんとはじめる動画投稿
第27話 エロパワーは偉大なり
1000万再生数。
その数字を見て、俺は目が飛び出そうになった。というか、
な、なんだこの異常な数値。
一か月放置していたら、こんなに再生されていたとは。
あれから倉片さんと“個人撮影”を繰り返し、出来の良い動画は
マスクあり、モザイクもありという保護色多めとなっているにも関わらず高い
一か月前。
伊勢崎さんは、倉片さんと正式に契約を結んだ。広告収入から高額なギャラを払うことになるようだった。
今回、1000万再生もされているため、かなりの報酬が期待できるだろうな。
俺もそろそろ初給料日だ。
すっかり大学への足は遠のき、七月になっても仕事ばかりしていた。
このまま退学して正社員として働くのもアリだろうな。てか、月収30万円の時点で十分勝ち組である。欲を言えばもっと欲しいけど、伊勢崎さんは売上次第では『給料アップ!』と宣言してくれたので、今後に期待したい。
立ち上がり、編集部屋を見渡す。相変わらず配線やら撮影機器でゴチャゴチャしてる。そろそろ整理もしたいけど、面倒で結局やらないんだよなぁ。
などと思考を巡らせていると、別部屋から水着姿の倉片さんが現れた。マイクロビキニでかなり
「あれ、どうして
不思議そうに俺を見つめる倉片さん。だが、俺は彼女の谷間に釘づけだった。なんとまぁ、見事な。恐ろしいまでに形のよい胸は、これまた見事に山となり谷となっていた。
少し歩くだけでプリンのように揺れ、その柔らかさが
「あー…ちょっと報告があってね」
「ん~?」
立ち上がり、俺は改めて
これから一か月の成果を発表する。きっと驚くだろうなぁ。反応が楽しみで仕方ない。
「ほら、ここ一か月『
「うん、そうだね。どうなったの?」
「1000万再生達成してた」
「へ…………」
ぽかんと口を開け、状況が飲み込めていない倉片さん。なんのこと? みたいな表情でただただ困惑していた。そうかこれがリアルな反応なんだな。
ああ、でも普通こうなるか。
改めて俺は状況を説明。すると倉片さんは理解を示して腰を抜かした。
水着姿のままその場に崩れ落ち、くたっとなっていた。ここまで衝撃を受けるとは!
「す、すまん。突然すぎたかな」
「ううん。ビックリしただけ! てか、1000万再生ってヤバくない!?」
「そうだな。ヨーチューブでも難しいよ。エロパワーは偉大だな」
エロサイトでは、バズれば100~1000万再生は行かないこともない。けど、女優が美人だったり可愛かったり――それだけではない、体やテクが良くなければ伸びるわけもなく。
それは全てを完璧にした場合だ。
今回、倉片さんはマスクをしたりモザイク濃くしたりしているので……ここまで伸びるのは想定外すぎた。
伸びたしても10~30万再生と見積もっていたんだがな。
やはり、アイドル級の容姿を持ち、モデル並みの体型である倉片さんのアルティメットボディを前にすれば、どんな男でもイチコロなわけだ。
「これってギャラとかどうなるんだろ……?」
「集計してみないと分からんけど、広告単価がエロサイトの場合は高いからね。5~10円は期待してもいいと思われ」
どうやら、エロ動画サイトはかなり
アメリカとか海外で運営されているから納得ではあるが。
「す、すご! 5円なら……ご、ごせんまんえん!?」
「単純計算ならね。多少誤差があるだろうけど、ほぼそれくらいだと思う」
中にはカップルで動画投稿して稼いでいる男女もいるらしいからな。ただヤって投稿するだけで何百万~何千万と稼げるのだ。そりゃ、やるわな。
正確な数字を出すべく、俺はアカウント情報を確認。
そこには
ん…………え?
検索してみると、すぐに結果が出た。
現在のレートで『65,000,000円』と判明。ろ、ろくせんごひゃくまんえん!? は!? え!? マジかよ!!
しかもこれ、手数料引かれている状態だった。それでも、こんなに貰えるのかよ。
ということは広告単価、めちゃくちゃ良かったんだな。
あとで調べて分かったことだが、再生数が伸びると単価がアップする場合があるらしい。そうだったのかよ!
すげえな、たったの一か月で6,000万円も稼いでしまったのか。しばらくは遊んで暮らせないこともないな。
「どうだった?」
と、倉片さんは不安気に俺を見つめる。直ぐに結果を教えた。すると、完全に石化して動かなくなった。
そうなるよね……。俺も驚いているし、こんな簡単に稼げるとは思いもしなかった。
これ、会社に所属していなければ
けど、撮影ソフトや機材やらなかったわけで。
結局、伊勢崎さんの求人がなければ、今の環境はなかった。だから感謝している。
これなら臨時ボーナスも貰えそうかな!
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