第13話 稼ぎまくって立ちんぼへ!!
有名求人アプリ『インデート』をなんとなく見ていると、気になる仕事が目に入った。
アルバイト・パート
◆動画編集
急募☆月収30万円以上!
土日休みOK!! 休憩自由
動画投稿のための編集作業です!
ハイスペPC支給
交通費支給/即日勤務可
◆ラクラク応募
アルバイト・パートでこれはスゴい
動画編集なら俺はできる。
普段、趣味でショート動画を投稿している程度には対応できる。スマホだけど。
けど、パソコンもそれなりに
一か八か応募してみようかな。
闇バイトなんかより、よっぽど
ええい、ここは“ノリ”でいくか。
アプリ内にある【ラクラク応募】ボタンを押した。
予めプロフィールだとか履歴書を入力済みなので、これで対応可能らしい。便利だな
あとは先方からの連絡を待つのみ。ドキドキだな。
その間、スキマバイトで稼ぐことにした。
返信が来るまではひたすらバイトあるのみ!
昨日応募したコンビニ店も行ってみた。幸い、徒歩で五分の距離で直ぐに到着。
「今日もよろしくお願いします、店長」
「昨日ぶりだね、キョウくん。……うぅ」
「
そう聞くと伊勢崎さんは頭を押さえていた。この動作、まさか……。
「飲みすぎちゃってね。飲むつもりはなかったのだけど、つい」
「そうでしたか。――あ、そうでした。昨晩は助けていただき、ありがとうございました」
「ん? あぁ、あの
どうやら、伊勢崎さんにはそう映ったらしい。もしかして、あの“立ちんぼ”の場所のこと知らないのかな。
このまま
「違いますよ。倉片さんは高校時代の友達です」
「ほぉん? 冗談でしょ? あんなイチャイチャしていたクセに?」
え……まさか結構前から俺と倉片さんのこと見ていたのかな。見られていた!? ……うわ、なんか
「そ、それは! ともかく、友達なんです」
「ふーん。てか、あの場所ってやたら若い子が立っていたよね。あー。アレか。
うぅ、気づかれてしまったか。てか、コンビニのレジでなんちゅー話をしとるんだ、俺たち。一応、客もいるのだが――幸い、まだ
「そんなんじゃありませんよぉ……」
「声がうわずっていないかい、キョウくん」
疑いの
マジで困ったので
と、少々強引にシャットアウトしてみたが――レジにお客様が来たので必然的に会話は終了することになった。
◆
スキマバイトが終わるとインデートからメッセージが届いていた。
お、あの動画編集の求人から返答があった。
『簡単な面接をします。ぜひ、ウチへ来てください。』
マジか!
善は急げだ!!
月収30万円以上の為に!
いや、倉片さんの為に!
一度、自宅へ戻った。伊勢崎さんのコンビニから徒歩で十五分の場所。そこに至って普通のアパートがある。そこの二階が俺の――いや、正確に言えば
都内のアパートを借りるなんて、さすがに難易度が高すぎる。家賃も死ぬほど高い。だが、ラッキーなことに大学生になってから出会った『
驚きなのは織田がほとんど部屋にいないことだ。なので実質ひとり暮らしになってしまっていた。
帰宅して扉を開けると、そこには珍しく織田がいた。
「オカエリ~、キョウ」
カタコトの言葉で挨拶をする織田。彼は
「どうした、珍しいな」
「ウン。大学アキタ! キョウとアソブヨ~」
「それなんだが、すまん。これからバイトの面接でね」
「ソウナノカー! モウ、就職カ?」
「かもしれんな。俺は今ようやく人生の
「ワタシモ、ツイテイクヨ~」
「マジか。分かった、出ていくのはやめたよ。世話になっているし、
「イイヨ、イイヨ。キニスンナ!」
と、織田は笑顔で答えてくれた。そして「時間ダ」と
まあいいや。
気にせず、俺はボロっちいスーツに着替えてまともな
アパートからは徒歩でいけた。
毎度ながら近い場所で助かったぜ。
そこに到着して俺は
さすがヨーチューバー。むちゃくちゃ
何度もやり取りをしてセキュリティを突破。
エレベーターに乗って十階を目指す。扉が開いて馬鹿みたいに広い通路を歩く。なんだよこの
…………スゥ。
今の聞き違いじゃないよな。
扉を開けると――「ん!?」と俺の顔を見て衝撃を受ける伊勢崎さん。「え……」と俺は
なぜ、伊勢崎さんがこのマンションに?
「キョウくん、なんで!? ――って、まさか」
「は、はい。俺、応募してきたんですけど」
「…………うそぉ」
互いに立ち尽くし、この意味不明な状況に頭が真っ白になっていた。
スキマバイトで知り合ったコンビニ店長がなぜ、ここに? え? なんで? どうして?
しかも、更に意外な人物が現れて、俺はついに
「シンジンサン、イラッサーイ! ――ッテ、キョウ!?」
織田、お前もかあああ!?
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