第12話 メイドの倉片さんがエロすぎて……

 いやらしいメイドとなった倉片さんをベッドへ寝かせ、服越ふくごしに触れていく。……これはヤバいな。

 直接でなくとも、これは十分に興奮こうふんする。

 くすぐったそうに身をよじらせ、けれど熱のある息をく。確実に感じているな。


「……大丈夫?」

「だ、だいじょうぶ……」


 と、倉片さんは息を乱しながら答えた。

 このまま攻めの姿勢をくずさず、服やスカートの中に手をしのばせていく。


 十分ほどは、ひたすら触れ合って気分を高めた。

 そして今度はガンガンせめていく。

 上から下まで倉片さんの全てを味わっていく。匂い、感触と共に。


 それから夢中になって俺は攻めて攻めて攻め続けた。



「…………」



 気づいたらシーツがかなり湿しめっていた。ちょっと、やりすぎたかなと思いつつも、倉片さんは腕で顔をおおって恥ずかしそうに、体をびくびくさせていた。



「……ぅ、うぅ。ご、ご主人様ぁ……」



 切なそうに声をらす倉片さんは、エロすぎた。今の録音しておきたかったなぁ。ていうか撮影してぇ……!

 残念ながら撮影は不可と言われてしまったからなぁ。流出のリスクもあるし、仕方ないよな。しかし、せめて声だけでも保存しておきたいッ。



 いよいよ、紳士のたしなみの“0.01”を準備。



 驚いたことに、倉片さんが0.01を口にくわえたまま――装着してくれた。なんつー、サービス精神! さすがエロメイド。


 あまりのエロさに偉大なる息子コルトパイソンがいつもの三倍膨張ぼうちょうした。……これはヤバすぎるな。

 バイアグラがなくとも、このレベルに達せられるのだ。倉片さんの魅力みりょくがあってこそ。このエロボディに感謝せねば。いや、体だけじゃない……! 声も仕草しぐさも全てがパーフェクト。

 そもそも、高校時代に好きだった相手。世界一好きだっ。


 そのおもいを胸に、俺は倉片さんと合体を始めた――。



 ◆



 想いを言葉にできない分、俺は下半身で伝えた。

 この想いが届くのかさだかではないが、それでもいい。今はこれで十分だ。



「……ふぅ」

「キョウくんってば前も後ろも激しすぎだよぅ」


 俺の横で寝転ぶ倉片さんは、そう抗議こうぎする。


「すまん。だって、メイドの倉片さんがエロすぎて……可愛すぎてついね」

「そ、そっか。ならいいけど~」



 まるでツンデレのように照れている倉片さん。まんざらでもないらしい。

 いやしかし、コスプレをするだけで、ここまで魔法のように変わるとは。素晴らしいな、メイド。


 結局、脱がすことなく最後までメイド服のままいたしてしまった。


 まだまだ二回戦もいける勢いだが、今日のところはこのメイド倉片さんをでようかな。

 ヤる機会はいつだってあるはず。

 話もしたいし、今日の残り時間は歓談かんだんに回すことにした。



「倉片さん、なにか欲しいものとか買ったの?」

「う~ん。ないかなぁ」

「そうなのか。ブランド物とか……それともホスト?」

「それも興味きょうみないんだよね」


 意外だな。立ちんぼを利用する女子は、ほとんどがホストへみつぐための目的だと聞いたことがある。

 欲しいものもないだなんて……やっぱり借金の返済に追われているんじゃ。

 心配になってきたな。


「あー…、その、なんだ。もし言いにくいことなら相談に乗るが」


 少しだけ歩み寄ってみると倉片さんは苦笑くしょうした。


「……実は、ちょー言いにくいことなの」

「まじか」


 うぅ、気まずくなってしまった。やっちまったかなぁ――と、後悔こうかいしていると。



「気にしないで。今は話せないだけだから」



 そうフォローしてくれた。

 今は話せない……か。つまり、いつかは話してくれるってことかな。いったい、倉片さんはなんの為にお金をかせいでいるのか。

 気になるけど、その時を待とう。きっといつか話してくれると信じて。



 今夜も二時間で終わった。

 金に余裕があれば一泊したい。でも、今の経済力ではきびしい。……う~ん、もうちょい効率よく稼げる仕事はないのか。


 パチンコかパチスロで……いや、ダメだ。

 競馬けいば競艇きょうてい競輪けいりん一攫千金いっかくせんきんを――破産しかないな。


 いっそ、宝くじでも買ってみるか?

 いや~、そう簡単には当たらないよなぁ。



 現実はきびしい。コツコツとスキマバイトで稼ぐしかないのかなぁ。



 そう考えながらもホテルを後にした。



「……」

「ねえ」

「……?」

「キョウくん、どうしたの?」

「あー、ごめん。考え事してた」

「そっか。今日はありがとね」

「こちらこそ。明日はどうする?」

「ごめん。明日は用事があるの~。また連絡するね」

「分かった。また」



 駅前で手を振って別れた。時間が無限にあればいいのになぁ……。

 それにしても用事とはね。

 気になるが、これ以上の詮索せんさくは嫌われてしまいそうだ。なので俺は自重じちょうすることにした。




 ――そして次の日。




 今夜は倉片さんと遊べない。ので、いい機会なのでスキマバイトから別の仕事を探すことにした。なにかいい仕事はないか……?



 お、これは?

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