第4話 2回もシちゃった

 シャワーを浴び終えてベッドへ。

 ひたすらに恥ずかしがる倉片さんを多少強引にでも押し倒し、ついに全てがあらわになった。

 おぉ、なんて白肌しろはだ神々こうごうしくて美しい。


「とても綺麗きれいだよ」

「…………うん、ありがと。優しくしてね」


 当然だ。財宝のようにあつかうさ。


 俺はうでを伸ばし、倉片さんの神秘に触れていく――。



 ◆



「…………はぁ、はぁ」


 たがいに息が乱れていた。ベッドに仰向あおむけに倒れ、呼吸を整える。シャワーをび、ベッドインしてから気づけば二時間も経過していた。

 一回戦だけでは終わらず、二回戦目にも突入するという事態に発展。おかげで俺のエネルギーは全て失った。ライフポイントゼロだ。


 倉片さんはシーツで体をおおい、恥ずかしそうに背を向けた。


「ばか。優しくしてって言ったのに~…!」


 なんかねてるし。

 多少、乱暴だったことは認めるが――しかし、倉片さんもだいぶノリが良かったけどな。最初こそ痛がってはいたが、中盤ちゅうばんはビビるくらい甘い声を何度も何度もらしていた。

 おかげで俺の偉大なる息子コルトパイソンは宇宙のように膨張ぼうちょうを続け、薬なしでも最強形態を維持いじし続けていた。


 しばらく休憩していると、倉片さんはようやくこちらを向いた。


「ご、ごめんな」


 俺はまず謝罪しゃざいした。確かに紳士しんしの振る舞い方ではなかった。あの時の俺はザ・ビーストだった。


「ううん、いいの。気持ちよかったし……」

「え……まじ」


 こくこくと子供のようにうなずく。その動作が可愛くてたまらなかった。早くも偉大なる息子コルトパイソンが復活しそうである。


 しかし、今はこの余韻よいんひたろう。


 というか、もう一万円分の元は十分に取れている。これ以上はなんだか申し訳ない気持ちにもなった。



「ところで、普通は一回だよね? 二回もシしちゃったじゃん。料金取ろうかな」

「すまん。つい勢いで」

「でもいいよ。今夜ははじめてだからサービスってことで」



 女神様かな? ありがたいことに二回目は無料になった。嬉しいな!



「どうする? そろそろ帰る?」

「うーん。このまま一泊しようかな。帰るの面倒だし。キョウくんは明日、大丈夫なの?」


「俺はヒマな大学生だからね。バイトがあるくらいさ」

「へえ、やっぱりバイトはしているんだね。じゃなきゃ、一万円も出せないよね」

「その通り。こういう楽しみの為にスキマバイトで汗水あせみずたらして働いているのさ」


「あー、流行はやりのスキマバイトアプリすごいよね。好きな時間選んで、一時間とか働いて数千円とか貰えるんでしょ」



 その通り。ちょっと前までは無料の求人雑誌から探していたものだが、今はアプリのスキマバイトの方が気楽でいい。履歴書や面接も必要ないし。

 気軽におこづかいを稼げるので俺は、そこそこバイトをしていた。


「倉片さんもやってみれば? ……って、夜の仕事の方が手っ取り早いか」

「うん。わたしって不器用だからさ~。体くらいしかないかな」


 確かにルックスもプロポーションもかなりレベルが高い。正直、こんなことしなくても稼げそうな感じがする。しかし、倉片さんは自分を武器に稼ぐことを選んだ。きっと、本当はなにか支払いとか、そういうので追われているのだろうな。


 事情を聞いてなんとかしてやりたい気持ちもあるが、スキマバイトレベルの俺ではなぁ……。彼女を買って応援してやるくらしか手段がない。


「明日も会えるかな」

「もちろん、いいよ。連絡先も交換しておこっか」

「……あと、できれば俺だけの専属とかに」

「え、それってセフレみたいな~?」

「それに近いかな」

「まあいっかー。知らない男の人ちょっと怖いし、今は慣れるためにキョウくんだけにしておこうかな」


 やはりノリがいい。上手く説得が通り、倉片さんは俺専属となった。……いいね、まだまだ楽しめそうだ。今だけでも彼女を占有せんゆうしておきたい。

 可能なら、恋人になれればいいな――なんてな。

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