第27話
pm3:00
私はスマホと目の前にいる人を何度も見比べていた。
うたくんに会える!と夜な夜なファッションショーをして決めた服に身を包み、るんるん気分で待ち合わせの30分前にカフェに到着した私は、目の前の光景に驚いていた。
待ち合わせの30分前なのにも関わらず、うたくんがそこにいたのだ。ちなみにテーブルに置いてあるアイスコーヒーは半分減っていた。
そこで冒頭に戻る。
もしかして待ち合わせ時間を見間違えて遅れてしまったのでは!?と思った私はスマホを取り出しトーク画面を見た。
しかしそこには15時半、と確かに書かれている。
なぜ!?とうたくんとスマホを見ていると
いとちゃん何してるの、座りなよ、と笑いながら声をかけられた。
それに従い席に座った私は、
「うたくん早くない?」
「いとちゃんも早くない?」
ぐうの音も出ない。
会えるのが嬉しくてはやく来たって勘付かれてたら恥ずかしいなあ、と思っていると
いとちゃんに会いたくてはやく来ちゃった、はやく来ても待ち合わせの時間まで会えないのにね、と言ううたくんに顔が熱くなる。
素直をなれない私はそうなんだ、私は前の予定がはやく終わったからはやめに来たよ、と可愛くない返しをした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます