第5話

pm 10:00


莉子は思っていた通り、イケメンを見つけると連絡先ゲットしてくる~と言って行ってしまった。


私は人の多さと音の大きさに疲れたので座れる場所を求めてバーカウンターへやってきた。



ここで先ほどのところに戻る。



お隣いいですか、なんて聞きながらも自然な流れでその男は既に私の隣に座っている。


こういうところに慣れているんだろうな、なんて思いながらマスターと話している横顔をぼんやりと見つめていてふと気付いた。



「それにしてもよく私だって分かりましたね。雰囲気変えてるのに」



そう、今日はクラブで浮かないようにメイクも髪も服装もばっちり決めてきていた。


前会ったときは朝のお散歩中だったから、もはやすっぴんレベルのナチュラルメイクに部屋着より少しだけマシなくらいの服だったのに。



「あー、目を覚えていたんです」



・・・・目?確かに今日はカラコンをしていないからあの日と同じところといえば体型と目くらいだ。



私の目は茶色っぽくてよく綺麗だねと言われる。なんなら一度ハーフに間違われたことがあるくらいだ。

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