2−3 過去のこと
「ヒカリ。この町で,昔あった事件って知ってる?」
突然の黄花の質問に,僕は目を丸くする。
「えっ?事件って?」
そう答えると,黄花も驚いたような顔で,「知らないの?」と呟いた。
「今からちょうど,12年前にあった『夜空少女殺害事件』。女の子が何者かに殺されてしまったんだけど,警察が駆けつけた頃にはその子の血痕しか見つからなかったんだって」
その言葉に,僕は青ざめる。
黄花の目は,赤色に染まっているように見えた。
「その殺されてしまった女の子は,お母さんとお父さんがお仕事に行っている間・1人でお留守番中に殺されてしまったから…その両親は悲しみまくっていたんだ…せめて,その子の体でも見つかって欲しいって」
娘がお留守番中に殺されてしまって…その上,見つかんないなんて…
僕が両親なら…辛すぎる…
「きっと…この町の闇は…その子が関係してると思うから」
その子が関係…
だからつらくても…黄花は話してくれたんだな…
それなら…僕もその期待に応えないと…
そう覚悟を決める。
その時・茂みからガサガサっと音がした。
茂みから何かが飛び出して,黄花に飛びついた。
「やっと会えましたーっ!」
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