1−16 取り戻した希望

「あれ?藤堂くん?」

目を覚ました三里に僕は大声を出して手を掴んだ。

三里の目には光が戻っていて,制服のブローチにはさっきのキーホルダーが。

「よかった!戻った!」

「ヒカリ。これでこの町は元に戻ったよ」

よかった。一安心。

「三里。とりあえず,お母さんたちが心配するから戻ってあげて」

僕がそう促すと,三里は背を向けて走り出した。

「藤堂くん!あと…そこの女の子!ありがとう!」

三里はそう言って戻っていく。

「ヒカリ!じゃぁ次の町でもこんなふうに,がんばろー!」

そういう黄花は手を出してくる。

「うん!頑張ろう!」

あれ?黄花の手の上に乗ってるのは…

「これ…」

「あの…これからよろしくってので」

僕は黄花から石を受け取る…

これで二つになった僕のラッキーストーン…

「やっぱり…なんか元気が出る気がした…うん!これからよろしくね!黄花」

そう言って二人で岩に座ってあははと笑う…

「さぁ黄花!行こうか!」

僕は黄花に向かってそういった…

「うん…早く行こうか…」

あれ?なんかちょっとテンション低い?

「黄花…なんかいつもより…」

「さっ!早く行こーっ!」

テンションを取り戻した黄花と一緒に歩き出す…

よし!この調子で,頑張るぞーっ!

そう意気込んで,雲ひとつない青い空を眺めたんでした…

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