1−15 希望の石を!

「ヒカリ。このブレスレットの石。もしかして…!」

三里へのラッキーストーンを見た黄花の言葉に僕は頷く。美奈さんはもういない。さっきのあと,どこかへ行ってしまったんだ。

そんなことよりも…僕は黄花の質問に答えることにした。

「うん。恐怖心を克服して,迷いを断ち切るって意味のある,チャロアイトだよ」

今,僕の持っているチャロアイトは,紫色に光ってる。

この石で,三里が恐怖心を克服して,強い心でいじめを終わらせるように。

「ねぇ。三里。いやでしょ?こんなの。僕は,三里やみんなには笑っていてほしいんだ!」

その言葉に,三里が少し揺らいだ気がした。

ラスボスに石を届けるには,少しでも心を開いてもらわないといけない。

これは,僕が少しでも相手に言葉を届けられるかなんだ。

「三里!戻ってきてよ!僕,もういちど三里に,藤堂くんって呼びかけてほしいよ!」

「藤堂くん…」

三里が呼びかけてくれた!

よし!今だ!

「ヒカリ!これ読んで!」

いきなり横から渡された,不思議な言葉が並んだカンペ。

「えっと…希望のあかりよ!このラッキーストーンと共に,ずっと光続けることを!」

そう読んで,ラッキーストーンを三里に向かってぶん投げた。

ピカっと光って,三里の心臓のあたりから,小さな光が出てきた。

その光を,黄花がコンパクトで回収する。

フワッと煙が上がった。

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