1−12 困惑

「!」

僕は慌てて起き上がる。

なんだったんだ。今の。

「三里…まさか君が…?」

僕の言葉に,三里はうんともすんとも言わない…

けど…さっき見たものは…現実だ…

「あらぁ起きたの…もう少し寝ていてもよかったんですけどねぇ」

僕を見て,美奈さんはニタリと笑った。

けど,僕はもう迷わない!

自分の手首につけている,ラッキーストーンを握りしめた。

黄花がくれたお守り。

自分を信じろ!

僕はポシェットから,ラッキーストーンが入ったパレット。それから,ビーズ,紐。

あの幻で見たのは…この石だ!

一つの石を手に取った。

よし。あとはこの石を…

「あぁぁぁっ!」

「えっ⁉︎」

奥から,黄花の叫び声。

「黄花!」

黄花の腕が,美奈さんに強く掴まれている。

美奈さん,黄花を連れていくつもりだ!

どうしよう。

黄花を助けないと!

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