1−6 希望

「えぇいっ!」

僕のキーホルダーは、おじさんに向かってまっすぐ飛んでいく。

パァァァァン!

おっきな光が弾けて、おじさんの手首に下がった緑色のキーホルダー。

「黄花!効いたの?」

黄花はおじさんをじっと見つめている。

するとおじさんの胸から,何かが飛び出してきた。

それは,明るい色の光跡だった。

黄花の目が見開かれ、口が開く。

黄花が自分のポッケに手を突っ込む。

かちゃ。

黄花は自分のポッケから,何かを取り出した。

淡い黄色の,コンパクトだ。

無地でシンプルなデザインで、黄花の雰囲気とどことなく似ている。

黄花はそれパカっと開けて、パクッと光を回収する。

不思議だ…おじさんの胸から出てきた光が、自然とコンパクトに吸い込まれてった。

綺麗…。黄花の体もふんわりと光って見える。

僕が黄花に見惚れていると、

「ヒカリ君?」

背後から声が聞こえた。

大好きなおじさんの声!しかも元気な!

「おじさん!大丈夫ですか?」

僕はおじさんに駆け寄った。

おじさんの目には、正気が満ちている。

「大丈夫。なんだかさっきまで,もうダメだーと思ってたんだけどね,なんか今は,成功するって思えるような気がするよ」

笑顔で告げるおじさんのポケットのスマートフォンに繋がった緑の石がついたキーホルダー。

よかった…効いたんだ…。

「おじさん!またおじさんのお野菜,食べさせてね!」

そういうとおじさんは,笑顔で頷いてくれた。

本当に良かった!

「黄花!成功だね!」

「うん。それより今の石って」

「あれは,クリソプレーズ。仕事の達成や,目標の達成を意味しているよね!」

黄花は笑って頷いた。

そうして二人でハイタッチ!

パチンと気持ちいい音がした。

「やっぱり,素質があるね」

二人で笑いあう。

でも,そんな雰囲気に似合わない,暗〜い声があたりに響いた。

「うふふふ。ずいぶん仲が良くなったわね」

大人っぽいけど,少し幼い,甘い声。

脳に直接響く声。頭にキーンときて、少し痛い。

「ヒカリ!」

黄花が僕の前に立った。

バッと両手を広げる。

「どうしたの黄花!」

こんな焦った黄花、さっきと雰囲気が全く違う。

「この闇の感じ,きっと,この町の闇と,世界の闇がいる!」

「えっ⁉︎」

僕が戸惑いで黄花を見た時,急に,僕らの周りから音や色がなくなった。

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