1−4

タッタッタッタ。

暗い雲がかかった森を走っていく。

黄花はまるで,空でも飛ぶレベルで軽々しく飛んでいく。

一方僕は,そろそろ息切れ。

「ヒカリ!早く!急がないと…間に合わない!」

「間に合わないって…どういうこと⁉︎」

「彼女がくる!あの人に希望を食べ尽くされたら,みんな死んでしまう!」

「あの人って⁉︎」

「…」

黄花はその質問には答えずに軽々と地面を飛び降りていく。

とそこで,僕はあることに気がついた。

「ねぇ黄花。町の人たち全員に届けるの?」

「そんなわけない!取り憑かれた町には,闇が一番深い,いわゆるボスがいる。そいつに希望を届ければクリアだよ!」

なるほど…。つまりはボスを倒せばいいってことか…。

面白そう。

「ヒカリ!もうすぐ闇を抱えた人物がいるところに到着だ!」

いよいよだ。そろそろ覚悟を決めなきゃ。

僕は自分のポシェットに手を当てる。

黄花からもらったラッキーストーンとラッキーカラーのたくさんの紐。

そしてラッキーストーンとお揃いの色のたくさんのビーズ。

僕はそれをギュッと握りしめた。

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