1−3
「そう。君,ラッキーストーンって知ってる?」
ラッキーストーン?僕は首を横に振る。
すると黄花は,僕に向かってあるキーホルダーを向けた。半透明な色の綺麗な石と,似ている色のビーズがかかっている。
「これはね,ラッキーストーンでは,負を浄化するって意味のある,アパタイトっていう鉱石で作ったラッキーアイテムだよ。君にはこれから,いく先々で出会った希望をなくした人たちに,こーいうのを作って欲しいってわけ」
「でも…こんなので元気出るの?」
僕は思わず,思ったことを口にしてしまった。しまった!と,口を押さえる。黄花の目が少し光った気がした。
「はぁぁ。そう思うんなら,見せてあげる」
そう言って黄花は,腰のカバンから,糸を取り出した。
そこに赤いビーズを通してく。そして最後に赤い鉱石を取り付けてキュッと結んだ。
「はい。これ」
渡されたのは,赤いビーズのついた,質素なアクセサリー。
けど,なんだろう。
今まで頑張ったてきたことが,できる!って気持ちになってくるな。
「これが,ラッキーストーンの効果。今のは努力を実らせるっていう意味のガーネットだからね」
そう言われて僕は頷く。
確かに,これをうまく使えば,希望を戻せるかもしれない。
実際に今僕は,心ができるぞっていう希望で溢れている。
「そして,君には素質がある。本番ではきっと,いい石を選べる」
「僕に…素質?」
驚いていると,黄花はまっいっか,と肩の力を抜いた。その目がどうするのって言っている。
「僕で…いいの?」
「うん。君がいい。君じゃないと,できないの。神様に信じられている,君しか」
僕が…神様に信じられている?めちゃくちゃ嬉しい。
しかも,ラッキーストーン,やってみたいって思える。
僕は黄花に手を差し出した。
「やる!やらせて!ラッキーストーン!」
そういう時,黄花はにっこり頷いた。
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