第11話 コイツ…ぜってぇモテるだろ。いや、モテてたわ。
「てことで、僕とキミ、相部屋らしいから、よろしくね。」
「オレも隣の部屋だから、なにかあったら遠慮なく頼ってな!」
「…は?」
いや、待て待て待て待て待て待て!!!!
同じ寮はまだしも、同じ部屋!?隣の部屋!?
むりむりむりむりむりむりむりむり!!!!!!
「なにやってんだぁ?」
「う゛わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
「びっくりしすぎ。うるさいよ。」
「あっはは、レイくんは面白い反応をするよな~!」
「す、すまん!そんな驚かせるつもりはのぅてぇ…。」
「うっせぇ!!なんでお前らは後ろから来るのばっかなんだよ!!」
心臓に!!!悪い!!!
「てか、結局なんの話してたんだぁ?」
「ん~?寮の話~。」
「あぁ、寮通学ならオレっちもだぞぉ!」
「お前もかよ!!!!」
頭にはてなマークを浮かべるジンに、カイトがのんびり答えた、と思ったら、ジンさえもとんでもないことを言い出した。
「え、何号室?」
まさかと思ったのか、ビャクヤが聞く。
「…。」
ジンは少し考えこんだ結果、
「…まだ知らねぇ!」
「知らねぇのかよ!!!!」
にっこにこで知らないと返してきた。
思わずジンに勢いでツッコミを入れてしまった。
「ん~?ジンくんって、初等部から寮生じゃなかったのか?」
「あぁ、オレっちは中等部からの編入やから、寮の参加も今日からなんよなぁ。」
「だからまだ知らないと…。」
「せやでぇ!!」
俺の問いに勢い重視で答えるジンに、
「あはは…。」
ビャクヤから乾いた笑みがこぼれる。
無理もないか…。展開が急すぎるもんな。
あはは…。
うん。
どうしようか、
とりあえず、
「ジンとビャクヤ追い出すか。」
「なんでよ!!!」
「なんでやねぇぇぇぇぇぇんんんん!!!」
「オレはいいんだ?」
「カイトはなんだかんだ役に立ちそう。」
「やった~。でもオレはビャクの専属騎士だから、ビャクが実家に帰るなら、オレも帰るよ。」
「そりゃ残念。」
カイトとの会話が一旦終了したと思ったら、
「オレっちは!?」
「そうだよ!この子はともかく、なんで僕まで追い出されるの!?」
「なんでオレっちが追い出されてもいい前提で話し進めとんねんんんんん!!!」
ジンとビャクヤがお互いを貶しながら俺に詰め寄ってくる。
「…そーゆーとこだよ。バカ二人。」
わざとやれやれ感を出しながら、すこしからかってみると、
「え!?ちょ、そーゆーとこってどーゆーとこ!?」
「なんやねんそれぇ!!!」
と、すぐつっかかってきて、少し騒がしくなる。
「レイくんはな、二人がとても騒がしいから、もうちょっと静かにしろ、って言いたいんだと思うぞ~。」
「なっ!!」
「オレっちは騒がしくねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
騒ぐ二人は放っといて、カイトに話しかける。
「カイトお前…」
「ん?」
「俺の言いたいことがよくわかったな。」
真顔で言うと、
「レイくんは大げさだな~。たまたまだよ。」
微笑んで返すカイト。
「イケメンかよ。」
「え~?」
しかも無自覚天然。
モテるな、コイツ。
俺の目に狂いはなかった。(言いたかっただけ。)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます