第5話 今更感がすごいこの世界の原理みたいなもの
いよいよ入学式…の前に、俺はものすごく悪寒を感じていた。
風邪?違うな。
この世界の風邪は体内の魔力がそこらへんのウイルスやらなんやらと結びついて、異常増幅することによって発症する。
その増幅度合いによって軽いか重いかになるんだが、俺には魔力がねぇから、風邪には(全くと言っていいほど)かからない。
となると、ビャクヤやカイト、さっきの金髪らをはじめ、このクラスの連中は風邪とか大変だろうな。
おっと。話がずれた。
俺が悪寒を感じている理由。それは…
後ろの席のヤツがすごく睨んでくるから!!!!!
なんでかって???知るかよ!!!!!!!!!!
てか今入学式前最後の休憩なんだから!!!!!休憩させろ!!!!
どーせ入学式中はいろんなヤツらに
「な、なんだよ。」
そろそろ休憩させてほしいと思い、振り返って恐る恐る声をかける。
「へ!?あぁ、すまん!つい気になってもうて…。」
「はぁ?」
なまってんな、コイツ。
てか、黄髪(パーマ)のうえに筋肉もりもりだし、強そう…。
言い忘れていたが、この世界の魔力量の見分け方は髪色だ。
魔力量がいちばん多いのが白、その次に赤・青・黄の三原色、その次は金・銀だ。
それより下は薄い色ほど魔力量が多くなる。
そして、いちばん下は黒だ。
つまり、1組は白から銀ぐらいまで。
2組は暗めの銀からパステルカラーぐらいまで。
3組からは薄めの混色、4組は普通の混色って感じでだんだん髪色が暗くなってくる。
髪色は生まれてから一生同じ色というわけではなく、鍛錬の量によっては薄くなったり、三原色に近くなったりする。
逆に、
ん?俺はなんで髪色が黒のままなのか?鍛錬してないのかって?
鍛錬していないわけじゃない。ただ、
だが、ビャクヤ、カイトをはじめ、目の前の筋肉もりもりのコイツも、鍛錬の成果が出ているのか、見事な髪色をしている。
もとの才能…というのもあるのだろうが、それだけではない、今の彼らの
そう考えている間も、黄髪パーマは俺をじろじろ見つめてくる。
「だ、だからなんなんだよ!!!」
その視線に耐えかねて思わず叫び気味に言い放つ。
と、予想もしてなかった言葉が返ってきた。
「いや、お前、細いわりに筋肉密度えぐいんやなぁと思って…。」
「はぁ!?おま、んなもん知るかよ!!!」
急に何言ってんだコイツ…!!!
「照れんなってぇ…w」
「はぁ!?照れてねぇし!!!」
「またまたぁw」
コイツもまた、ビャクヤと同じように、人をからかうのが好きな部類だったらしい。
ビャクヤはどこに行ったか?
…んなもん知るか。便所じゃね?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます