第119話

「ご両親は今いるの?」



「うん。今日は仕事休みだから二人ともいるよ」



「そっかぁ、ちゃんと挨拶しないと」



「鈴ちゃんはそのままで大丈夫だよ」



私のこと甘やかしすぎじゃない?でも挨拶はしっかりしないと。



遥の横を歩く。足を進めるたびに緊張が増していく。



「あ、」



「どうしたの?」



「父さんと母さん仕事入ったって」



それは嬉しいような寂しいような。



「彼女紹介してそのまま泊まってもらうって言っちゃったから、会えなくて二人とも悲しんでる」



「え!言っちゃったの?!」



「え、うん、だめだった?」



「だ、だめじゃない」



だめじゃない、だめじゃないけど!嬉しいけど!!恥ずかしいじゃん、しかもまたサラッとやっちゃうんだもんなぁ。



なんか負けてばっかで悔しいな。今日絶対一回だけでも照れさせてやるんだから。

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