第117話

「鈴ちゃん!」



誰かに呼ばれた私の名前。その誰かはもちろん私の大好きな人で、ゲーム名ではない名前を呼んでくれたことが嬉しい。



パッと顔を上げて大好きな人を探す。



こういう時に思うことがある。恋ってすごいなって。だってすぐ見つけれるんだもん。その人だけがキラキラ輝いていて、その人しか映らなくなる。



彼の元に駆け寄って名前を呼べば笑ってくれる。



走ってきたのかその額には少し汗が滲んでいて、きゅんとした。



私を見つけてすぐ来てくれたのかなって思いながら遥に抱きつく。もちろん口角は上がったまま。



ぎゅうって会えなかった時間を埋めるように。毎日のようにゲームをして連絡は取っていたけれどそれだけじゃ足りなくて。ここがどこなのかも忘れていた。

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