第106話

そのまま一直線に私たちの方に向かってくる。目の前で立ち止まり、1人の男の子が口をひらこうとした瞬間、女の子が言葉を発した。



「しのちゃんですか!?」



「そ、そうです!」



この元気な感じと私のことを“しのちゃん”と呼ぶことから、この子はHanaかな。というかHanaしか思いつかない。



ということは、2人のどちらかがLucaか。何か言わなきゃいけなのに言葉が出てこない。



「え、と…、」



もうどうにでもなれと言葉を放つ。Hanaの勢いを借りて、伝えたいことを伝える。隣にはずっと桃ちゃんがいてくれる。大丈夫。



「あの!」



「あ、Shinoさん、俺ArataなのでLucaはこっちです」



どうして遮るのさ、どっちがLucaか分かったからありがたいけど!



ありがとうと彼に言ってLucaに向き合う。

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