第104話

そんなことを考えていたら放課後になっていた。莉久と花織が僕の元に来て“帰ろう”と言ってくる。それに応えるように荷物を鞄に詰める。



そのときクラスメイトが騒ぎ出した。なんだと思ってクラスメイトに聞くと、他校の女の子2人が校門前にいるらしい。県内の制服ではなくて他県の制服らしい。



人探しをしているらしい。可愛い子と美人な子だってクラスメイトが騒いでるのが聞こえてきた。そんなに騒がれているから興味が湧いて窓の外を覗いてみたら驚いた。



だってその制服はShinoが通っている高校のものだから。もしかして、と思ったけどそんなことはないと自分に言い聞かせる。無駄な期待はしない。期待して違ったらって考えると怖いから。



「ねぇ、遥。あの2人組、Shinoさんだったりしないかな?」



「さすがにそれはないでしょ」



「だよね」



「でもLucaってやつ探してるらしいぞ」



莉久が僕をみながら言い放つ。



「お前がShinoさんのこと後悔してることは知ってんだよ。相方以上の感情を持ってることもな」



“だから、さっさと行けよ”



その言葉に背中を押されて教室を飛び出す。



「上手くいくといいね」



「遥なら上手くやるだろ」



「だね」



そう言って2人は大事な幼馴染のことを思いながら笑った。



《Luca side end》

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