第103話

自分で終わらせたほうがダメージは少ないもんな。いつか彼女から終わりを告げられるより。



彼女に伝えたとき心の底から後悔した。



彼女は僕のわがままに振り回されてばかりなのに、嫌なこと何も言わずに受け止めてくれていた。最後までそうだった。 彼女にもらってばかりで何も返せていない。



Shinoが最後に僕に言った言葉がずっと頭に残っている。あれは彼女の本心だった。あれから随分経つのにまだ引きずっている自分自身に呆れる。



莉久と花織にも呆れられている。花織に関してはShinoとたまに遊んでいるらしく自慢される。僕だけが呼んでいた“しのちゃん”という呼び方も今は花織が使っている。僕だけの“しのちゃん”だったのにと思っても僕にそれを縛る権限なんかない。



離れてから気づくって本当に救いようがないよね。



自分で作った今なんだからこの気持ちは閉まったまま、誰にも言うことなく僕の中で終わらせる。

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