第5話

待ちに待った夜。いつも通りアプリを開いて準備をする。ルームを作って募集する。今日も見知った名前がある。今は21時くらいだから今日は何時までやろうかな、なんて考えながらメンバーが集まるのを待つ。最後の一人が来たと同時に挨拶をしてルールを説明する。



「想い人」は私だった。花嫁姿の香水を使うキャラで衣装は限定だから人気なのは分かる。めっちゃ可愛いよねこの衣装。追われ始める前に一緒に解読してた肘当てを使うキャラの人が私を最後まで守ってくれた。彼のおかげで私は脱出することが出来た。



対戦後チャットでお礼といつも通りの言葉を言う。



『次も開きますので、ご縁がありましたらお会いしましょう』



私が言うが早いか、彼が言うのが早いか、同じくらいの早さで文字が綴られた。



『次も開くんですか?』



聞かれることは多くあるから『開きます。』と返事をする。『行きたいです!』と言われてしまえば無視することも出来ず『ではフレンド申請させて頂きますね!』と普段することの無いフレンド申請をしてしまった。



思えばこれが始まりだったんだと思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る