第35話
「お待たせしました。来栖さんですが昨日退院されています。ですので今は当院にはいません」
「あ、そうですか。態々ありがとうございました」
受付の人にお礼を言って病院を出る。
"退院"ということは治ったということ。良かった。けど、どうやって探そう。僕は彼女の住所も知らない。今知っているとすれば彼女が"来栖 詩"ということだけ。
既に行き止まりだ。これはあれかな、彼女に会うなってことかな。それは辛いなぁ。
とりあえず家に帰ろう。帰ったらどうするか考えて行動しよう。まだ夏季休暇中だから時間はある。
そう決めても目の前が真っ暗なまま。あてが無くなったことがきつい。どうやって彼女に会えばいいのか、まず会ってもいいのか。あれほど"詩に会いにいく"と決めていても目の前の道が無くなってしまったらどうすることも出来ない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます