第12話

指が指してる方を見てもただ雨が降ってるだけ。他には何も無い。



「雨しかないけど…」



そう伝えても彼女は指を指し続ける。それが答えだとでも言うように。



答え…?そういえば彼女は雨が始まったら姿を現した。そして朝は雨が降ってなかった。今は降っていて彼女は目の前にいる。



「…雨?雨が降ってると姿を現すの?」



確信はなかった。僕の予想に過ぎなかったから。でも"雨"が1番近いと思った。



彼女は頷く。そして笑うんだ。

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